【耕うん機とは】驚くべき“耕うん機”の長寿命。家庭菜園や小規模の畑なら中古農機は十分すぎる!

公開日: : 最終更新日:2019/09/10 管理機・耕耘機

近ごろ、天候不順や気象災害などで野菜の価格アップがニュースになることが多いですよね。

その点、わたしは結婚を機に40年ぐらい家庭菜園を続けていて、野菜に関しては有機・無農薬の旬モノを安定的に手に入れることができることをエラソ~に言っている人間です。

いまや長野県の上田市に単身で移り住み、素人の手には余る広い畑を借りて、家庭菜園の域を超えるような種類と量の野菜をつくっています。

採れた野菜は、カミさんとか友達や親戚におすそ分けしたりして、いっぱしの農業人を気取って農作業をしている日々。

わたしは、かつて神奈川県の横浜市で家庭菜園をやっていましたが、畑はせいぜい10m×10mぐらいの広さでした。いまは横浜の頃に比べると100倍ぐらい、わたしにとっては広大ともいえる畑で野菜をつくっています。

横浜の家庭菜園は狭いので、耕作や畝づくりなどは、クワやスコップなどで事足りていました。当然ですが、こちらの畑ではそんな農具で刃がたつワケがない。ミサイルに竹やりで挑むようなものですよね。

でも、地主の方がとても親切で、定期的にトラクターで耕してくれて(わたしも運転できますが、これだけはやらせてもらえません)、声をかければプラス軽トラで管理機も貸していただけます。

管理機は、「ウチのマメトラを使えや」とおっしゃってくれましたが、“マメトラ”はその時に初めて聞いたコトバ。いまならちゃんと分かります。“マメトラ”は“マメトラ農機”という会社名からきていて、製品自体をそう呼ぶようになったんです。

ベトナムに行った時、オートバイのことを現地のヒトは“ホンダ”って言っていたけど、そんなようなことですかね。

というワケで、野菜の植え替え時期には、借りたマメトラを使ってベースをつくっています。

ただ、使った後にはキレイに清掃したり、ガソリンを満タン返ししたり、お土産をもってったり、ケッコウ気はつかっているんですよ。

なので、「トラクターまでとは言わないけれど、せめて耕うん機ぐらいは自前のがほしいな」という気分になっている今日この頃。

そんな目線で、今回は耕うん機/管理機をテーマにしました。

最近、都心周辺でも、ガスボンベを燃料にした管理機などを家庭菜園で使っているサンデー・ファーマーも増えていますし、地方に行けば、わたしのように大きめの菜園で野菜を自給自足してる方も少なくありません。

そんな方々にお役に立つような情報になればいいな、と思って書いてみました。

 

~“耕うん機” “耕耘機” “耕運機” “管理機” “ティーラー” この違いはなに?~

耕うん機は本来「耕耘機」ですが、「耘」が常用漢字ではないため「耕うん機」が一般的。新聞では日本新聞協会用語懇談会で定めた「耕運機」が原則です。ここでは普通に使われている「耕うん機」を用いることにします。

耕うん機と同じようなスタイルをもつ小型の農機具に“管理機”があります。どこが違うかというと、耕うん機は土を耕すための機械。管理機はトラクターや耕うん機で耕した後の土を管理・維持するためのもの、畝(うね)立てや土寄せなどの作業機(アタッチメント)を連結することが前提です。

ただ、最近の耕うん機は、ほとんどが管理機の機能をもっているため、定義としての区別ができなくなっているのが現状。ざっくりと、小型のものが管理機、大型が耕うん機という、大ざっぱな分け方がされることが多いようです。

また、ややこしいことに、耕うん機と似たようなカタチの機械で“ティーラー”もしくは“テーラー”があります。ティーラーは、荷台を牽引することを前提にしており、荷台の前に部分に椅子があって乗用できるようになっているタイプです。

耕うん機は英語で“rotary tiller” “tiller” “tilling machine”だったりするので、どこかで混用されたりしたんでしょうね。

“耕うん機”、“管理機”、“ティラー”と、厳密にはそれぞれ違う機械ではありますが、機能はほぼ同じです。なので、ここからは“管理機”と“ティーラー”も含めた“耕うんできる機械全般”を“耕うん機”として説明していきたいと思います。

 

~耕うん機のロータリーの位置は、前・中央・後の3タイプ~

昔、日本では牛や馬に犂(すき)を引かせて田畑を耕していました。これが機械化され、牛馬をエンジンに、犂をロータリーにしたのが耕うん機です。ロータリーは複数の爪が回転して土を掘り起こし細かく砕きます。

耕うん方式は、ロータリー式以外にも、“スクリュー式”や“クランク式”がありましたが、いまはほとんどがロータリー式。

耕うん機の後ろにロータリーがあるのが“リア・ロータリー式”。前についているのが“フロント・ロータリー式”です。

車軸に直接ロータリーをつけた、車輪をもたない耕うん機もあります。車軸ロータリー式といいますがミッド・ロータリー式といえますかね。

◆リア・ロータリー式

リア・ロータリー式は、耕うん機ができた時から使われている、後ろにロータリーを設置したオーソドックスな方式。車輪が先導してロータリーを引っ張るカタチなので直進性に優れています。エンジン部の重みがロータリーを土に押し付けるので、深く安定的に耕やせるのもメリットです。

デメリットは、リアのロータリーが操縦者の足元に近いので、足が巻き込まれる可能性もあり、事故例もあります。

◆フロント・ロータリー式

フロント・ロータリー式は前にロータリーが付いているので、足が巻き込まれる危険性はありませんが、エンジン部の重量を利用できないので、ロータリーはリア式に比べ深く食い込みません。逆に、ロータリーを軽く持ち上げられるので、楽に方向転換や旋回ができる利点があります。

また、リア式は田畑の隅になるとターンしたりしなければ耕すことはできませんが、フロント式は隅々までロータリーが届きます。ただ、価格がリア式よりもちょっとお高めなのが欠点といえば欠点です。

◆車軸ロータリー式

小型の管理機に使われるタイプ。車軸にロータリーが直結されています。小回りが効くので、取り回しが簡単。操作法もシンプルで初心者向けといえますが、作業機を装着すれば、中耕(ちゅうこう:除草するとともに、土を柔らかくし通気性を良くします)や、培土(ばいど:作物の株元に土を寄せる作業。枝が倒れることを防止し根の発生を促します)など、管理機の作業は一通りこなせます。

ロータリーが車輪代わりですから、移動時はガタガタと動くきますが、メーカーによっては車輪のオプションもあります。これは車輪を付けたままでも作業ができるスグレもの。後ろに車輪を装着するので、車軸ロータリー式がフロント・ロータリー式になるワケですね。

耕うん機は、ロータリーの位置で3タイプに分けられますが、土地の広さ・土の状態などを考えながら選びたいもの。もちろん、作業する方の性格や好みもあろうかと思いますけど。

わたしの場合、広さがそこそこある畑だし、土がかなり硬いので、たぶんリア・ロータリー式を選びます。いま借りて作業している“マメトラ”はフロント式だけど、なにせオーソドックスを好むタイプなので、なんとなく耕うん機らしいリア式にしたいと思いっている昨今です。

 

~耕うん機の燃料は、ガソリン・軽油・ガス・電気があります~

耕うん機は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンといった内燃機関を動力にしているのが一般的です。

◆ガソリン・エンジン

ガソリン・エンジンはほとんど4サイクルのエンジンですが、少数派としてガソリンとオイルを混ぜた混合ガソリンを燃料にする2サイクルのエンジンもあります。

ガソリン・エンジンの耕うん機が、ガソリンスタンドに横づけされた風景は見たことがないと思います。

安全であるという認証を受けた“携行缶”とわれる容器を有人のガソリンスタンドに持ち込こんで入れてもらい(セルフでもスタッフが入れてくれる場合もあります。わたしも経験有り。自分で入れようとしてたら、店員さんが飛んで来ました)、携行缶から燃料補給するのが普通です。

ガソリン式のディーゼル式に対するメリットは、軽量であること、小型にできるととですが、修理代が安いという点もガソリン式の良さでもあります。

◆ディーゼル・エンジン

ディーゼル・エンジンはトルクが大きく、重い負荷がかかっても低速回転が効くという、耕うん機に最適な特性をもっています。以前は、クランクを手動で回して始動させるタイプが主流でした。いまはカンタンにセルで動くようになっていますが、そのぶん高価。環境に配慮して排気ガス規制に対応したエンジンが多くなったこともコストに影響しているのかもしれません。

ディーゼル式は燃料は軽油を使うのでランニングコストは下げられるのですが、本体の価格や修理代が高いので、これまでディーゼル式を使っていたオーナーもガソリン式に切り替えるケースもあるようです。

 

最近は、充電式のバッテリーを電源にしてモーターで動くもの、カセット式ガスボンベを燃料とするタイプも出ています。

◆バッテリー式

バッテリー式は、静かで振動も少なくとてもスマートな農作業ができますし、排気ガス・ゼロのクリーンな耕うん機。ただ、バッテリーゆえに作業時間が限られており、長時間の場合は予備の充電済みバッテリー用意したほうがいいでしょう。パワーは、エンジン式に比べると非力なのは否めません。

 

◆ガスボンベ式

卓上式カセットコンロで使うカセット式ガスボンベを燃料に使うタイプ。身近にあるガスボンベを使うので、面倒なガソリン購入の手間がいりません。1本のボンベで約1時間ほど動きますが、コストはガソリンに比べて高め。年間使用量が少ない方は気にしなくてもいいコスト差だとは思いますが。

いろいろな燃料を使う耕うん機がありますが、やはりガソリン式が主流です。燃料別でざっくり言うと、家庭菜園には、バッテリー式やガスボンベ式でもOKだけど、ちょっと広いんだったらガソリン式が無難でしょうね。

わたしは1年間で、ちゃんとカウントしてないので大体ですが、耕うん機を使うのは合計でざっと24時間ぐらいですかね。なので、バッテリー式やガスボンベ式はちょっと無理。ガソリン式にしようと思っていますが、土の硬さを考えるとディーゼル式も考えています。パワーの魅力には惹かれるし、中古なら安いハズですから。

 

~耕うん機って何年ぐらい働けるの?~

ところで、「農林業用減価償却資産の耐用年数表」ってご存知でした? わたしも聞いたことはありませんでした。

これは国税庁が作成したもので、会社なりがワザと“モノの耐用年数を短くし減価償却費を多くして、利益から引いてしまって節税しちゃえ”という動きをさせないがために、国税庁がモノの耐用年数を決めたものです。

それによると耕うん機は、“歩行用トラクター”に区別されても、“耕うん整地用器具”の項目に入っても、いずれにしても5年になっています。国税庁は、「耕うん機は最低5年は使えるハズだろう」と言っているワケです。

ところが、耕うん機は長い時間を経て進化してもう完成形に近いものになっているし、なによりも構造がシンプルなので5年なんて新品といってもおかしくないレベルを保てます。

整備・メンテナンスさえしっかりしていれば、10年や20年使っていてもバリバリの現役。ケッコウ長寿な機械なんです。

 

わたしが“農の師匠”として頼り切っている方がいるんですが、年齢は87歳。腰は曲がっており電動シニアカートで畑や田んぼに毎日通っています。

しかし、師匠が電動シニアカートを降りて、耕うん機やバインダーといった農機具に手をかけるやいなやシャキッと操りだす姿はとてもステキ。感動ものなんです。

そんな師匠に耕うん機について聞いたことがありました。「その耕うん機、何年使っていらっしゃるんですか?」→「これは2台目だけど、17年使っとる。一台目は30年近くもったぞ」。

師匠がおっしゃるには、「耕うん機は、使っている時よりも、使ってない時の手入れが大事なんだよ」とのこと。

田植機やバインダーなどのように1年の間に数日しか使わず、後のほとんどは納屋の中という農機具とは違って、耕うん機はなかでも頻繁に使用するほうですが、冬季などオフシーズンはあります。

師匠いわく、オフシーズンのエンジンのメンテナンスが特に重要だとのこと。「使わない時にエンジンオイルを回すんじゃよ。時々、エンジンを動かすだけでエエ。これだけで、ずいぶん違うゾ」。

「エンジンオイルをなめちゃイカン。切らしたらすぐエンジンがダメになるからな。汚れたらとっ替える」。

「燃料は全部抜く。キャぷレタ(キャブレターのこと)にも残っとるからな、それも抜く。オレはめんどくさいから、エンジンが止まるまでかけっぱなしにしとくけどな」。

「前のはディーゼルやったから水冷だった、だから不凍液を入れとった。だから、しみることはなかったゾ」ともおっしゃっていました(ちなみに“しみる”は、“凍る”という意味の長野の方言)。

“長寿の師匠に、耕うん機の長寿の秘訣を聞いちゃった”の巻でした。

 

というワケで、耕うん機はちゃんとメンテナンスすれば、10年や20年は使えるんです。ということは、家庭菜園や小規模の菜園なら、中古で十分ってことになりませんか。

わたしも、いささか公私混同をしていますが、いまノウキナビで、“リア・ロータリー式、6~7馬力程度のセル付きディーゼルエンジンの耕うん機”をマジで検討しています。

では、皆様もノウキナビで、中古耕耘機管理機を探して、家庭菜園ライフを充実させてくださいね。

 
 

投稿者:uchizono

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