じゃがいもの安全な調理方法と食中毒を防ぐ3つの注意点[2026年最新]

身近なじゃがいも料理で起きた食中毒ニュース
カレーや肉じゃが、フライドポテトなど、私たちの食卓に欠かせない「じゃがいも」。
しかし、調理方法や保存方法を少し間違えるだけで、思わぬ体調不良を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか。
2026年3月、奈良県橿原市で、家庭内で調理したポトフを食べた家族3人が、食後にのどの違和感や吐き気を訴えるという出来事がありました 。 ポトフに使用したじゃがいもから緑に変色した部分が見つかり、有毒成分である「ソラニン類」が検出されたことから、保健所は食中毒と断定しています 。
幸いにも3人は回復に向かいましたが、このニュースは私たちに「身近な食材の正しい調理方法」を見直すきっかけを与えてくれました 。
今回は、じゃがいもの業界動向や食の安全を追う視点から、じゃがいもを安全に、そしておいしく食べるための調理方法と注意点について詳しく解説します。
じゃがいも調理の最大の注意点「天然毒素」とは?

じゃがいもによる食中毒の主な原因は、じゃがいも自身が持つ「天然毒素」です。
ソラニン・チャコニンの恐ろしさ
じゃがいもの芽(芽とその芽の根元)や、光が当たって緑色になった皮の部分には、天然毒素であるソラニンやチャコニン(カコニン)が多く含まれています。
これらを多く含むじゃがいもを食べると、おおよそ30分から半日程度で、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることがあります。
通常のじゃがいもの可食部分には、100gあたり平均7.5mgのソラニンやチャコニンが含まれており、そのうち3~8割が皮の周辺に集中しています。
一方で、光に当たって緑色になった部分は、100gあたり100mg以上のソラニンやチャコニンを含んでいると言われています。
体重50kgの人の場合、わずか50mg摂取しただけで症状が出る可能性があり、150mg~300mg摂取すると死に至るおそれもあるため、決して軽視できない成分です。
特に小さな子どもの場合は、大人の10分の1の量でも症状が出る可能性があるため、より一層の注意が求められます。
加熱しても毒素は消えない?
「しっかり煮込んだり、揚げたりすれば大丈夫なのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、じゃがいもを茹でたり加熱調理をしたりしても、ソラニンやチャコニンは分解されにくく、毒素の量が確実に減ることは期待できません。電子レンジ加熱でも低減率は3~45%程度にとどまるなど、加熱条件によって減り方にはかなりのばらつきがあります 。
そのため、調理前に毒素の原因となる部分を「物理的に取り除く」ことが、何よりも重要になります。
安全でおいしい!じゃがいもの正しい調理方法

では、具体的にどのような調理方法をとれば良いのでしょうか。
芽と緑色の部分は徹底的に取り除く
調理する際の基本的な注意点は以下の通りです。
- 芽の除去:
じゃがいもの芽には毒素が集中しているため、芽だけでなく、その根元のまわりの部分も含めて完全に取り除きましょう。 - 緑色の皮の除去:
皮に緑色の部分があったら、緑色になっている部分は全て除くように、皮を厚め(深め)にむきましょう。 - 通常の皮むき:
家庭の包丁などを使った一般的な皮むきでも、じゃがいも中の毒素を30~70%程度取り除くことができるとされています。心配な場合はしっかり皮をむくのが安全です。
新じゃがいもなどは皮が柔らかく、そのまま調理したくなるものですが、皮の周辺には毒素が集まりやすいため、緑色に変色していないか、傷がないかをしっかり確認してください。
苦みやえぐみを感じたら要注意
調理後にも注意すべきサインがあります。
もし、食べたときに「苦み」や「えぐみ」を感じたら、それは毒素の濃度が高いサインかもしれません。
少しでも違和感を覚えたら、もったいないと思わずに、じゃがいもと一緒に調理した他の食材も含めてそれ以上食べるのをやめましょう。
じゃがいもを安全に保つ保存方法の基本

じゃがいもの毒素は、購入後の「保存方法」によっても増減します。
適切に保存することで、おいしさと安全性を長持ちさせることができます。
光を避けて冷暗所で保存
じゃがいもは、日光だけでなく蛍光灯などの「光」に当たるだけでも、皮が緑色に変化し有毒物質が生成されてしまいます。 保存する際は、通気性と遮光性のある紙袋や段ボールに入れ、風通しの良い暗所(冷暗所)で保存しましょう。
温度は10℃くらいの涼しい場所が理想的です 。20℃以上になると発芽や腐敗が進みやすくなります。
ただし、冷蔵庫での保存は、じゃがいもの糖の濃度が高くなり、後で揚げたり炒めたりした際にアクリルアミドという有害物質ができやすくなる可能性があるため、基本的には常温の冷暗所が推奨されています。
もし冷蔵保存したじゃがいもを使う場合は、煮物や蒸し物といった水を使った調理法を選ぶと安心です。
傷をつけない工夫が大切
意外と知られていないのが、「傷」による毒素の増加です。
じゃがいもに傷がつくと、有毒物質が増える原因になります。 落としたり、他の硬い野菜と一緒に乱暴に扱ったりしないよう、優しく取り扱いましょう。
家庭菜園や学校で育てたじゃがいもは特に注意!

自分たちで育てたじゃがいもを食べるのは楽しいものですが、実は市販品よりも食中毒のリスクが高まる傾向があります。
家庭菜園や学校の理科の授業などで栽培したじゃがいもは、未熟で小さいまま収穫されることが多く、こうした未熟なじゃがいもはソラニンやチャコニンを多く含んでいることがあるからです。
過去にも、小学校で栽培した未熟な小さなじゃがいも(直径3cm程度)を皮付きのまま茹でて食べ、児童が食中毒になった事例が複数報告されています。
栽培時には、いもが地面から外に出て光に当たらないようにしっかりと「土寄せ」を行い、十分に熟して大きくなってから収穫することが予防の鍵となります。
未熟かどうかを見た目だけで判断するのは難しいため、自家栽培のじゃがいもは一度に大量に食べたり、皮ごと食べたりするのは避けるのが無難です。
よくある質問
Q1:じゃがいもの芽や緑色の部分を取り忘れても、しっかり加熱すれば毒素は消えますか?
A1: いいえ、加熱しても毒素は消えません。
じゃがいもの天然毒素であるソラニンやチャコニンは熱に強く、茹でたり、揚げたり、電子レンジで加熱したりしても、毒素の量が確実に減ることは期待できません。
食中毒を防ぐためには、調理の前に芽やその根元、緑色に変色した皮を包丁などで厚く(深く)切り落とし、物理的に取り除くことが最も重要です。
Q2:じゃがいもは長持ちさせるために冷蔵庫で保存したほうがいいですか?
A2: 基本的には冷蔵庫ではなく、風通しの良い冷暗所での保存がおすすめです。
じゃがいもを冷蔵保存すると糖の濃度が高くなり、その後揚げたり炒めたりした際に「アクリルアミド」という有害物質ができる量が増える可能性があります。
10℃くらいの涼しくて暗い場所(冷暗所)で保存するのが適しています。もし冷蔵保存したじゃがいもを使う場合は、煮物や蒸し物など水を使った調理方法を選ぶと安心です。
Q3:家庭菜園で採れた小さなじゃがいもは、皮ごと食べても大丈夫ですか?
A3: 未熟な小さなじゃがいもは、皮ごと食べるのは避けましょう。
家庭菜園や学校などで育てたじゃがいもは未熟な場合があり、小さいままのじゃがいもにはソラニンやチャコニンなどの毒素が多く含まれている可能性が高いです。
過去には学校で栽培した小さなじゃがいもを皮付きで茹でて食べ、食中毒になった事例も複数報告されています。
未熟かどうかは見た目では判断しにくいため、皮をしっかりむいて食べるか、一度にたくさん食べないように注意してください。
Q4:買ってきたときは普通だったのに、じゃがいもの皮が緑色になるのはなぜですか?
A4: 日光や蛍光灯などの「光」に当たったことが原因です。
じゃがいもは光に当たると皮が緑色に変化し、それと同時にソラニンやチャコニンといった有毒物質が作られてしまいます。
保存するときは、光を遮断するために通気性の良い紙袋や段ボールに入れ、暗い場所に置いておくことが大切です。
Q5:新じゃがいもは皮が柔らかいですが、そのまま皮ごと食べても安全ですか?
A5:緑色になっていないか、傷がないかをしっかり確認すれば食べられますが、注意が必要です。
新じゃがいもは水分が多く皮が薄いため、光に反応して緑色になりやすく、傷もつきやすいという特徴があります 。皮ごと調理する場合は、表面に緑色に変色している部分がないか、傷んでいないかを念入りにチェックしてください 。もし少しでも緑色になっている部分があれば、その周りも含めて厚く皮をむいてから調理しましょう 。
まとめ:正しい知識でじゃがいもをおいしく食べよう
じゃがいもは栄養価が高く、様々な料理で活躍する素晴らしい食材です。
しかし、その一方で天然毒素というリスクも併せ持っています。
「芽や緑色の部分は厚くむき取る」「光に当てず冷暗所で保存する」「苦みを感じたら食べない」という基本的なルールを守るだけで、食中毒のリスクは大幅に減らすことができます。
今回の記事を参考に、正しい知識を持って、毎日の食卓に安全でおいしいじゃがいも料理を取り入れてみてください。
家庭菜園でじゃがいもなどを安全に育てるためには、適切な土寄せや手入れが欠かせません。
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