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5月~7月にネギ農家がやっていること

我が家は10年前に非農家から新規就農し、周年で約30a(1a=100㎡)の白ネギを栽培する露地野菜農家です。

ネギの栽培は一年を通してさまざまな作業がありますが、5~7月は複数の作業を同時進行しなければならず、最も忙しい時期となります。そこで今回は、白ネギ農家はどんな農作業をしているのか、その中でも農繁期である5~7月はどんなスケジュールで栽培管理や出荷をこなしているのかを具体的にご紹介したいと思います。

またネギ農家でよかったことや思わぬ苦労についてもお伝えしますので、農家の暮らしや白ネギの栽培に少しでもご興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

白ネギの作型

白ネギの作型には大きく分けて秋冬ネギ・春ネギ・夏ネギがあります。種苗メーカーさんの努力や栽培技術の発達で、雪の降らない暖地では現在ほぼ周年で栽培が可能です。東海地区の太平洋沿岸部に位置する我が家では12~4月、6~7月に収穫するネギを栽培しています。

白ネギの育て方

暖地の白ネギは播種(はしゅ、種まきのこと)から収穫まで通常約6~7ヶ月間を要します。成長過程で何度か土を寄せて遮光することで、ネギは光を求めて上に伸びようとするため長くなり、土を被せた部分は白く柔らかいネギになります。もし土寄せをしなければ、いわゆる葉ネギとして育ちます。柔らかく美味しい部分を少しでも多く作りたいという先人の知恵で長いネギが誕生したのですね。

白ネギの播種~収穫・出荷までに行う具体的な作業

ネギの育苗

白ネギの播種、育苗

昔ながらのネギ栽培は、畑に苗床を作り、種まきをして育てた苗を一本一本手で植え替える作業をします。しかし、現在は量産するためにハウス内で育苗して機械で植え替えをする方法が主流です。種まきの時期は収穫したい月から逆算して決めます。うちでは12月から冬ネギの収穫を始めるので今年の種まきは5月下旬にスタート。そして6月、7月にもそれぞれ種まきをし、春まで収穫が続くように時期をずらして栽培します。ハウス苗の育苗期間は2ヶ月弱です。育苗期間中は水やりと温度調節のため毎朝夕ハウスに通わなければなりません。播種直後や苗が小さいときは、ハウス内が高温になったり培土が乾燥したりすると発芽や生育にばらつきが出ますが、苗の生育後半は加湿が病気の元となってしまいます。「苗半作」という言葉があるように、苗が悪いとその後の生育も思わしくないため、苗作りは気の抜けない作業です。

白ネギ圃場の準備

定植までに畑の準備を行います。土壌消毒をする場合は、定植予定の約1ヶ月前から薬剤を畑に鋤き込んでおきます。うちでは土壌消毒をするかわりに定植の3~4ヶ月前から緑肥を育てています。緑肥を入れると土壌の窒素分や微生物のバランスを整えたり、水はけをよくしたりする効果があります。また、同一作物を続けて栽培すると病気を多発する連作障害を防ぐためにも、前回の収獲から次のネギを植える前の段階で緑肥を栽培しておくことは有効です。定植前には緑肥を畑に鋤き込み、苦土石灰と元肥を入れて再度耕しておきます。

ネギの定植

白ネギの定植

7月上~中旬頃、畑の準備ができたらいよいよ最初の苗の定植です。白ネギ栽培専用のネギ管理機で1m間隔に畝を立てます。畝立てをすると、山の部分と谷の部分ができますが、ネギは谷のほうに植えます。うちでは動力のついた機械ではなく、「ひっぱりくん」と呼ばれる手動式のネギ移植機を使用。2人で作業すれば10aのネギを2~3時間で植え終わります。

白ネギの栽培管理(追肥・土寄せ)

定植後はネギの成長と共に約1ヶ月毎に追肥し、ネギ管理機で土寄せをしていきます。収穫までの土寄せ回数は合計5~6回。この地域のJAの出荷規格では白い部分が27cm以上必要なので、最終的に根元から30cmほどの高さまで土をかけ、最後は雨や暴風などで土が落ちないよう鍬でしっかりおさえます。最初は畝の谷に植えたネギですが、山のほうの土をけずってネギにかけていくため、最後は山と谷が逆転するのです。

薬剤散布

病害虫の発生を抑えるため、定期的に薬剤散布を行います。ネギは涼しく乾燥した気候を好むため、梅雨時期や暑い夏は特に病気が発生しやすくなります。病気の発生時期は予測できるので、発生前に防除にあたります。病気が一旦発生してしまうと薬剤の散布量・回数共に多くなるので、予防散布をするほうが減農薬になるのです。また、病気予防の薬剤散布時に防虫の薬も混用することで、散布の手間を減らしています。

白ネギの収穫

白ネギは土の中に深く埋まっているため、簡単に手で抜き取ることができません。小規模農家は鍬で掘り取り、うちのように中規模の農家はトラクターに取り付けるタイプの掘り取り機を使用しています。機械でできるのは畝の土を崩すところまでなので、結局は手で一本一本ネギを抜くことになり、なかなかの重労働です。大規模な農家になるとソフィという白ネギ専用の自走式収獲機を使用し、ネギを土から掘りだして一本一本バラバラにするところまで機械化しています。掘り取ったネギはコモと呼ぶ収獲用の布に包んで軽トラで持ち帰ります。

白ネギの出荷調整

掘り取った白ネギは作業小屋で調整します。白ネギの調整作業は工程が多く、大まかな手順は以下のとおりです。

  1. 根っこを切り落とす
  2. 専用の皮剥き機で葉を3枚程度残して外皮を3~4枚剥く
  3. 葉っぱの先端を規格の長さ(60cm)まで切り落とす
  4. サイズ選別し、サイズ毎に2~4本ずつテープで結束する
  5. 10束ずつ箱に詰める

これでようやくスーパーで売られているネギの姿になります。うちの場合は2人で作業し、一日で30箱(3kg/箱)も出荷できれば上出来です。

ネギの出荷準備

5~7月にネギ農家がやっていること

ここまで白ネギ栽培の具体的な作業についてお伝えしてきました。ネギは栽培期間が長く、作業内容も多いことに驚かれたのではないでしょうか。5~7月はここでご紹介したような作業をすべて同時進行で行う忙しい時期です。なぜなら6~7月にかけて夏ネギの収獲・出荷があるので、その合間をぬって、冬~春に獲るネギの播種・育苗・定植などを行っているからです。また、梅雨時期でもあるので天候をみながら「今日しかない!」というタイミングで畑に入るため少々無理をすることも。そして、ここではネギ栽培の作業についてのみお伝えしましたが、実は我が家のもうひとつの基幹作物である海老芋の管理作業や田植えなども同じく5~7月の間に行っています。毎年、作業がちゃんと間に合うのか、なぜこんなスケジュールを立ててしまったのか、と焦ることも多いですが、結局お盆前までには何とかすべてが予定通り終わります。だから翌年もついついまた同じ量を作付けしてしまうのです。

新規就農を検討されている方へ

このように慌ただしい日々を送っているわたしたちですが、新規就農当初からこんなに複雑な作業体系だったわけではありません。

まずは兼業農家でスタートし、春ネギを5aだけ作付けしました。初年度に何とか収獲までこぎつけられたので、翌年は冬ネギも追加し、数年後には夏ネギ、他の品目も、と段階的に作型も面積も増やしていきました。

新規就農時は要領を得ないため、作業が二度手間三度手間になってしまってだんだんと遅れたり、やる気は十分あっても慣れない作業に身体がついていかないこともありました。

なので、最初からあれもこれもと欲張りすぎず、一歩一歩着実に進んでいかれることをおすすめします。

ネギ農家になって苦労したこと、よかったこと

ネギ畑

わたしたちがネギを主要品目に選び、就農してから約10年が経ちました。

ネギを栽培してみていちばん驚いたのは、やはり手間がかかり栽培期間も長いということです。また、昨今は気候変動で大型の台風が直撃したり、長雨や酷暑が続いたりと露地野菜を栽培するには厳しい状況が続いています。しかし、苦労と面白さは表裏一体で、難しいものほどやりがいを感じられるものです。

今年の栽培がうまくいってもいかなくても、来年の作付けはこうしよう、ああしようと自分なりに工夫しがいがあり、長年続けても飽きないところが気に入っています。これから先も、もっとよいネギが作れるようさらに試行錯誤を続けていきたいと思います。

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