備蓄米「古古米」の味は？新米と古米の健康選び方／東洋医学からの考え方

2025 6/27

2025年6月27日

「薬食同源」の考え方に基づくと、新米と古米にはそれぞれ異なる良さがあり、その時々の身体の状態や季節に合わせて選ぶことが望ましいとされています。

薬食同源とは 「薬食同源」とは、日々の食事が病気の予防や治療につながるという東洋医学の考え方です。特定の食材が持つ効能を理解し、バランスよく取り入れることで、健康な体づくりを目指します。

新米の良さ

潤いと滋養: 新米は水分を多く含み、みずみずしいのが特徴です。薬膳では、この潤いが身体を潤し、乾燥から守る「潤肺作用」や、胃腸の働きを助け、滋養強壮に役立つと考えられます。特に、乾燥しやすい秋から冬にかけて、身体に潤いを与えるのに適していると言えます。
「気」の補給: 新米は収穫されたばかりのエネルギーが満ちています。薬膳では、身体のエネルギーである「気」を補う「補気作用」があるとされ、疲労回復や体力増進に効果的と考えられます。
消化しやすい: 新米は柔らかく、消化吸収が良いとされています。胃腸が弱い方や、病後の回復期にも適していると言えるでしょう。

鮮度と希少性: 新米は収穫されたばかりの新鮮な米であり、その年にしか手に入らないという希少性から、市場に出始めた時期は高値で取引されます。
- 特に、収穫直後の9月〜11月頃は、新米の需要が高まるため価格が上昇しやすいです。
品質: 新米は水分含有量が多く、炊き上がりの香りやツヤ、食感が良いとされるため、品質面での付加価値が価格に反映されます。
需要と供給: その年の米の作柄（豊作か不作か）や、消費者の新米に対する需要の高さによって価格が変動します。
ブランド力: 「コシヒカリ」や「あきたこまち」といった有名ブランド米の新米は、特に高値で取引されることが多いです。

身体を温める: 古米は新米と比べて水分が少なく、米のデンプンが熟成されることで、身体を温める作用があるとされます。特に、冷えやすい体質の方や、寒い季節に適していると言えます。
「湿（しつ）」を取り除く: 薬膳では、体内の余分な水分や老廃物を「湿（しつ）」と呼びます。古米は水分が少ないため、体内の「湿」を取り除く手助けをすると考えられ、むくみや消化不良の改善に役立つ可能性があります。
保存性と安定性: 新米に比べて水分が少ないため、長期保存に適しています。また、味が安定しているため、調理方法によっては新米よりも美味しく感じられることもあります。
消化への負担が少ない: インドのアーユルヴェーダでは、新米は消化に負担がかかりやすいとされ、古米やよく乾燥させた米を用いることがあります。これは、古米の方が身体への負担が少ないという考え方に基づいています。

新米と古米の価格は、いくつかの要因によって変動します。一般的には、新米の方が古米よりも高値で取引される傾向がありますが、例外や特殊な状況もあります。

価格の下落: 新米が出回ると、それまでの前年産のお米は「古米」となり、在庫整理のため価格が下がるのが一般的です。これは、鮮度が落ちる、古米臭が出ることがある、といった理由によります。
保存状態: 古米の価格は、その保存状態に大きく左右されます。低温管理など適切に保存された古米は、品質の劣化が抑えられ、比較的高い価格を維持することもありますが、一般的には新米よりも安価です。
政府の備蓄米放出: 近年（2025年6月現在）、米価が高騰している状況を受け、政府が備蓄米（古米や古古古米など）を市場に放出することで、価格を抑える動きが見られます。これにより、特定の古米は比較的安価で供給されることがあります。例えば、2023年産の新潟県産「ゆきん子舞」の古米が5kgで3480円で販売されている事例があります。

栄養学的には、新米と古米で基本的な栄養成分に大きな差はないとされています。しかし、保管方法によっては、古米は水分が失われ、食感が硬くなることがあります。

新米: 疲れている時、食欲がない時、身体に潤いが欲しい時などに、炊きたての新米をシンプルに味わうのがおすすめです。
古米: 冷えを感じる時、むくみが気になる時、しっかり噛んで食べたい時などに、煮込み料理やカレーなど、風味を活かした調理法で楽しむのが良いでしょう。また、水分が少ないため、水分を多めにして炊いたり、寒天などを加えて炊くと、ふっくらと美味しくいただけます。

このように、新米と古米はそれぞれ異なる特性を持つため、「薬食同源」の考え方を取り入れ、季節や体調に合わせて上手に使い分けることで、より健康的な食生活を送ることができるでしょう。

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