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2025年を振り返る:日本農業の1年とこれからの展望

みなさん、こんにちは。2025年も残すところわずかとなりました。

振り返ればこの1年、日本の農業はまさに「激動」と「進化」の只中にありました。気候変動による厳しい現実、深刻化する担い手不足。その一方で、驚くような技術革新や政策の転換点ともなる出来事が次々と起こりました。

本日の記事ではその総決算として、2025年の主要な農業関連ニュースを振り返りながら、来るべき2026年に向けた思いを綴りたいと思います。

1. 農業技術の進展:農水省「2025年農業技術10大ニュース」が象徴するイノベーション

2025年12月に農林水産省が発表した「農業技術10大ニュース」は、今年の技術トレンドを象徴するものでした。

1位は難防除雑草で特定外来生物に指定される「ナガエツルノゲイトウ」の地下部まで駆除する新技術が選ばれました。

ナガエツルノゲイトウとは?

ナガエツルノゲイトウ(学名:Alternanthera philoxeroides)は、南米原産の特定外来生物に指定された難防除多年生雑草です。水田に侵入すると、水稲の減収や収穫作業の阻害を引き起こし、茎や根の断片から容易に栄養繁殖するため、まん延が深刻化しています。特に地下部(地下茎や根)が越冬し、再生の原因となるため、従来の防除では地上部のみを抑えることが多く、完全駆除が難しい状況でした。

この問題に対し、2025年の農業技術10大ニュース第1位に選ばれたのが、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)、千葉県農林総合研究センター、神奈川県農業技術センターが共同開発した除草剤体系処理による防除技術です。この技術は、水稲移植栽培期間中に特定の除草剤を組み合わせた体系処理を2年間継続することで、まん延した水田でも地下部まで完全に駆除できる点が革新的です。

千葉県の現地水田(早期栽培地域)で検証したところ、開発体系を導入するとナガエツルノゲイトウの地上部が大幅抑制され、2年継続で地下部がほぼ消失した実証結果でした。現場導入が進むことで、水田農業の持続可能性がさらに向上するでしょう!

2位はドローンを活用した鳥獣害対策など、気候変動対策、省力化、鳥獣害・雑草防除が上位を占めました。

他にも、海水から肥料原料を確保する技術や新品種ぶどう「サニーハート」の開発など、持続可能な農業を実現する成果が目立ちました。

ブドウの新品種「サニーハート」とは?

サニーハートは、2025年に農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)が開発・発表した新しいぶどうの品種です。皮ごと食べられる赤色のぶどうとして注目されており、シャインマスカットとは異なる外観と食味で、新たな需要を期待されています。

開発元: 農研機構(果樹茶業研究部門)
親品種: 「626-84」(食味良好でかみ切りやすい果肉を持つ系統) × 「シャインマスカット」
交配年: 2003年
品種登録: 2025年3月(品種登録番号: 第30875号)
発表: 2025年6月18日

収穫期: 8月下旬~9月上旬(巨峰よりやや遅め)

糖度: 高糖度(約20度前後、安芸クイーンや巨峰より高い)
酸味: 低い

皮ごと食べられ、種無し生産が可能。

2025年の農業技術10大ニュースにも関連する話題の新品種で、今後の普及が楽しみですね! まだ市場に出回り始めたばかりなので、入手したらぜひ味わってみてください。

これらの技術は、スマート農業の普及を後押ししています。

日本政策金融公庫の調査では、スマート農業の導入率が約45%に達し、特に畑作分野では7割超。

ロボットやAI、ドローンによる省力化が現実的な選択肢となってきました。

担い手の高齢化が進む中、これらの技術が「勘と経験」から「データ駆動」の農業へ移行を加速させています。

2. 深刻な課題:鳥獣害と鳥インフルエンザの発生

一方で、自然災害や病害の脅威も大きかったです。

クマの出没・被害は過去最多ペースで続き、人身被害は200人を超える地域も。

ドングリ類の不作や個体数増加が原因とされ、農作物被害も深刻化しました。

鳥インフルエンザは国内で複数例発生(北海道、宮崎、鳥取など)、養鶏農家に大きな打撃を与えました。

これらは気候変動の影響を如実に示しており、センサーやドローンによる早期発見・対策技術の重要性が再認識された1年でした。

3. 米価格の高止まりと需給の変動

米をめぐる状況も注目されました。2024年の高騰を引き継ぎ、2025年も店頭価格は一時4000円台を記録しましたが、政府備蓄米の放出により徐々に下落傾向に。

新米の出荷が進む中、概算金の上昇で農家手取りは改善した一方、消費者にとっては依然負担の大きい年でした。

食料安全保障の観点から、増産政策や輸出拡大の議論が進んでいます。

4. 構造変化:農林業センサスが示す現実

2025年農林業センサスの概数値では、農業経営体数が82万8千に減少し、10年で約55万件減少。

一方で法人経営体は増加し、規模拡大が進展。1経営体あたりの耕地面積は3.7ヘクタールに拡大しました。

これは、家族経営から法人化・大規模化への移行を表しており、スマート農業の普及がこの流れを支えていると言えます。

5. 政策の転換点:改正基本法と予算拡充

2024年の食料・農業・農村基本法改正を受け、2025年度予算概算要求は大幅増

スマート農業の実証・導入支援、鳥獣害対策、担い手育成が重点化されました。

食料自給率向上を目指す中、輸出拡大や再生型農業の推進も進んでいます。

終わりに:希望を持って2026年へ

2025年は、課題が山積する一方で、技術革新と政策の前進が光る年でした。

農業は単なる「食料生産」ではなく、食料安全保障、環境保全、地域活力の基盤です。担い手不足や気候変動に直面する中、スマート技術の活用と若い世代の参入が鍵となります。

私たちの食卓を守る農家さんの努力に感謝しつつ、来年はさらに持続可能な農業が広がることを願っています。

みなさんも、年末年始に地元産の農産物を味わいながら、農業を応援していただければ嬉しいです。

2026年もこのブログで最新情報をお届けします。良いお年を!

(参考:農林水産省発表資料、各種報道)

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