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飼料が社会と環境を救う?今話題のエコフィードとは

最近は食品ロスとか、SDGsとか、社会問題や環境問題の話題がよく聞かれますよね。食に関わる農業にとって、どちらも避けては通れない話題です。
そこで、農業界ではこれらの問題に取り組むために食品業界とともにある取り組みを始めています。
それが、今回ご紹介するエコフィードです。
社会・環境のみならず、畜産経営を助ける仕組みでもあります。
今日はエコフィードのメリットについてご紹介したいと思います!

目次

エコフィードとは?

エコフィードとは、英語表記でecofeedと書きます。

“環境にやさしい”(ecological)や“節約する”(economical)等を意味する“エコ”(eco)と“飼料”を意味する“フィード”(feed)を併せた造語

農林水産省

で、具体的には主に4つの原材料を基に製造されています。
その4つの原材料は以下を示します。
①食品製造副産物・・・食品製造の過程で出される副産物のこと。
           醤油粕や焼酎粕など。
②余剰食品   ・・・パンやお弁当などの売れ残りなど。
③調理残さ   ・・・野菜のカットくずなど、調理の際に発生するもの。
④農場残さ   ・・・規格外農産物など。
(参照:農林水産省

最近は食品ロスという言葉をよく聞くようになりました。
さらには、コンビニ弁当の売れ残り問題などがメディアなどで取り沙汰されていたりと、まだ食べられるものを捨てるという行為に疑問を感じ、声を上げる人が増えている印象にあります。
また、ゴミを出すということは環境的にも負担がかかります。
これら食品残さがエコフィードとして家畜のエサになることによって、社会的にも環境的にもプラスな取り組みであるのです。

エコフィードの利点

エコフィードはその名の通り、環境的にも経済的にもメリットがあります。それぞれの視点からメリットについてご紹介します。

飼料自給率の向上〜畜産経営を助ける

畜産業において飼料はコストの約4割から7割を占めるそうです。
なぜそこまでコストがかかるのか。
それは大半が海外からの輸入に頼っているからです。
実に7割が輸入だそうです。
そこで政府は自給率の目標を38%に設定し、その目標を達成するための手段としてエコフィードを活用することにしたのです。
先ほども述べた通り、エコフィードは食物残さなどから作られるため、自国で製造することができます。そのため、この取り組みが軌道に乗れば、自給率を上げることができるのです。
農林水産省でも、

エコフィードは現在輸入に頼っている飼料の代替品として自給率を向上させて、相場に翻弄されない経営を実現するための施策として位置付けられている。

農林水産省

としており、経営コストの大半を占める飼料のコストを減らして、なるべく畜産農家の負担を減らせるような施策としてエコフィードへの取り組みが進んでいます。

食品リサイクルに貢献〜食品ロスの問題にも対応

賞味期限が過ぎてしまった食品の大量廃棄や、大量が故に最終処分場をひっ迫する事態に陥っているなど、メディアなどでも取り上げられているこれらの問題は、無視できるものでは無くなってきています。

そこで、平成13年にはこれら問題を懸念して、
・食品にかかる資源の有効活用
・食品にかかる廃棄物排出の抑制
などを定めた食品リサイクル法が制定されました。
廃棄物排出の抑制に関しては、取り組むべき順序が決められており、まず第一に廃棄物の発生を抑えるべきであり、その次に、出てしまった廃棄物を再生利用する取り組みが必要とされています。
この再生利用のフェーズで、飼料化・エコフィードの活用が優先されているのです。

なぜエコフィードに取り組むべきなのか

社会・環境的にメリットがあるだけでなく、実際にエコフィードを使う畜産農家とそれを作る食品産業 双方にもメリットがあります。では実際にどんなメリットがあるのか、みていきましょう。

畜産農家側のメリット

経営コストを削減することができる

先ほども述べた通り、畜産農家の経営コストに占める飼料の割合は、動物にもよりますが約4割〜7割と、とても多いです。なので、このコストを減らすことができたら経営にとてもメリットがあるのです。
一般的に畜産で使われている配合飼料の平均価格は、1キロあたり58.8円です。
それがエコフィードだと、1キロあたり24.6円になるのです。
さらには、普通の配合飼料は輸入に頼っているものが多いため、相場に左右されやすいです。そのため、コストがどれくらいになるのかその時の情勢によって変わってしまう可能性もあります。
その点、エコフィードは国産なので、そう言ったこともなく、だからこそ安く済むのです。
これだけ値段が違うと、経営コストの削減にも大きく影響を与えることができそうですよね。

生産性の向上を見込める

食品残さをどうエコフィードとして加工するのか、それにはいくつかの手法があります。その1つに、リキッドと呼ばれる、牛乳やジュースなどと原材料を混合させてスープ状に加工する方法があります。
このリキッド状の飼料を使うことで、例えば豚を育てている農家であったら、豚舎内での粉塵発生を防ぐことができます。
そうすると、豚の呼吸器疾患罹患率が低下して、発育が向上するそうです。(参照:農林水産省
自分が育てている動物が病気などにかかってしまったら、心配であるしその分コストもかさむと思います。エコフィードはそういったことにも対応できるのです。

食品産業側のメリット

廃棄物処理費を削減できる

事業系一般廃棄物の搬入手数料は1キロあたり11.5円します(参照:農林水産省)。
量が減れば、その分廃棄にかかる費用は少なくなります。

CSRとしてアピールすることができる

CSRとはCorporate Social Responsibility の頭文字をとったもので、日本語に訳すと「企業の社会的責任」といいます。
社会的な問題に対して企業として役目を果たしているのか、社会に貢献できているのか。
最近ではそういったことが企業が生きていく上で重要になっています。
エコフィードに取り組むことは先述した通り、社会的にも環境的にもメリットがあります。それに取り組むことで、自社のCSRとしてアピールすることが可能なのです。

最後に

エコフィードは、食べられずに捨てられた食品をも活用することができるため、環境にも良いし社会的にもメリットがあります。さらには全て国内で加工・製造されるため、輸入に頼る必要もなく、その分コストが削減される可能性があります。
食品残さの問題などは最近よく聞きますが、地球にいる全員の意識を変えることは難しいかもしれません。
エコフィードのような、何かを製造する過程でもこうした問題に取り組んでいると言うのは、とても良いことであると思いますし、今後の日本の畜産業界を盛り上げていくためにも注目すべき取り組みであると思います。

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