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美容業界による農業プロジェクト「BELPA FARM」から考える、これからの農業とは?

航空会社や鉄道街会社、旅行会社、コンビニチェーンなど、大手企業による農業参入が相次いでいますが、今回はちょっと珍しい美容業界による農業プロジェクトの話題をご紹介します。長野県松本市にあるヘアサロン「BELPA(ベルパ)」では今年の春から専用のファームを設置して野菜作りに挑んでいます。農業を始めたきっかけや、美容と農業のコラボからさらに発展した取り組みの広がりについて取材しました。

目次

美容院が農業をはじめたきっかけ

松本市大手にあるヘアサロン「BELPA」は、同市で50年余りヘアサロンを展開しているベルパームグループの本店です。代表の高橋亮太朗さんは、都内のトップサロンのディレクターも勤めている実力派のスタイリストでもあります。

美容業界の最先端で活躍しているサロンが農業への挑戦をはじめたのは、2020年4月のこと。以前から、長野の美容院ならではの面白い取り組みができないかと考えていた高橋代表は、美容の基本でもある健康的な食事を作り出す“農業“に着目しました。人との接触や密閉空間への留意といった、コロナ禍の中でも動じない農業の業界スタイルに活路を見出したといいます。
高橋代表は「常連のお客様の中にも農家の方がいらっしゃいますし、僕自身も道の駅をハシゴするほど、野菜が好きでした。農業は全く新しい分野でしたがスタッフの後押しもあり、挑戦することを決めました。」と当時を振り返ります。

自家栽培野菜に反応は上々

「BELPA FARM」と名付けられた専用の畑は、もともと同院のスタッフのお祖父様が50年にわたり野菜を育てていた土地。広さは90平米ほどです。土地の管理者で専業農家でもあるスタッフのお祖父様のご指導のもと、美容師の皆さんによる野菜づくりがスタートしました。2020年度は、トマトやキュウリ、ナス、ピーマンなどの夏野菜を中心に14種類を栽培したそうです。

収穫した野菜は、サロン内でお客様へと無料で配布したほか、地元の大学生のコミュニティーへと寄贈しました。いずれも反応は上々で、「家庭栽培のものより大きくて形も整っている」「甘みが強く美味しい」「野菜がおしゃれに見える」との声が聞かれたそうです。収穫のピーク期は2ヶ月に及び、その間に200人以上の方へと、BELPA FARMの野菜は届けられました。

美容×農業…さらにその先へ!

BELPAの取り組みは、自家栽培野菜の配布だけに留まりません。美容院ならではの農業の取り組みとして、自家栽培の野菜を使った美容にいいレシピをブログにて公開しています。例えば、抗酸化作用のあるビタミンEや、紫外線のダメージから細胞を守りコラーゲンの生成を促進するビタミンCを豊富に含んだトマトやモロヘイヤ、大葉を使ったドリンクなどを紹介しています。
さらに、地域の飲食店と協力した取り組みも目を見張ります。自家栽培の野菜を飲食店に提供し、その野菜を使用した各店のオリジナルレシピをフィードバックしてもらい、BELPAのブログにて公開しています。地域経済の活性化にも一役買っているのです。

また、食育に通じる取り組みにも積極的です。9月22日には、地元の小学生以下のお子さんを対象にしたジェラート作りのワークショップが開催されました。内容は、トマトや紫蘇などのBELPA FARM産の野菜と地域で育った果物を参加者が各自で自由に組み合わせて、オリジナルのアイスを作るというもの。産者であるBELPAと地域の洋菓子店が協力して、実践的に食の大切さや楽しさを子供達に伝えていました。今後は、野菜の収穫体験といった食育の取り組みも考えているそうです。

「BELPA FARMの一番の収穫は人」

農業プロジェクトを始動してからの数ヶ月を振り返り、「食べ物は美容や健康の基本ですから、自分たちの手で作る経験ができたことで、より深い体験ができたと感じています。農業は土作りなど基礎がとても大切ですよね。それば美容師の仕事も似ています。“毎日コツコツの積み重ねが結果に繋がっていく“それをスタッフみんな再発見しました。」と話してくださった、高橋代表。仕事に対する姿勢をスタッフと共有できた点や、地域や人との繋がりが広がった事にこそ、BELPA FARMの真価を感じたといいます。
ちなみに、これからも育てた野菜で収益を得るつもりはなく、無料配布のスタンスを貫いていくのだとか。この農業プロジェクトの価値を、福利厚生や地域貢献などの金銭面以外の部分で見出しているという一貫した想いの証なのかもしれません。

農業と美容業界のコラボについて

取材を通して感じたのは、農業と美容は本来係わりの深い分野であるということ。しかし、美容系企業による農業プロジェクトには、環境とノウハウの条件が揃わないケースが多いようです。たとえ畑が確保できたとしても、その環境に適した栽培の知識や技術の習得には時間がかかります。今回のBELPAのように、農業や環境を熟知している農家さんの手を借りなければ、結果はすぐには出ないでしょう。
では一方で、農家サイドから見て、美容業界との連携にはどんなメリットがあるでしょうか。それは、イメージアップの要素が大きいと思います。実際にBELPAのお客様でも「野菜がおしゃれに見える」と反応をされた方がいらっしゃいました。流行に敏感な美容師の皆さんが農業をやっているといったニュースは若年層へのPRにも繋がり、農業従事者を増やすきっかけにもなり得ます。
ちなみに、農業のイメージアップを目的とした取り組みの一例としては、大阪にある美容院LINE hair salonの代表ミツモリ ヨシヒロさんのTOUCHプロジェクトが挙げられます。このプロジェクトは世界中でヘアデザインを行うもので、2018年には千葉県の農業団体ベジフルファームの農家の皆さんをヘアアレンジしました。その際、作業着や農機具もおしゃれにリメイクされ、“農業をカッコよくする“とのテーマに沿った大変身を遂げました。(https://www.otaku-project.com
BELPA FARM とTOUCHプロジェクトのいずれにしても、農業と美容のコラボレーションは、ニュース性が高く、注目が集まりやすい点は確かです。

今回ご紹介したBELPA FARMについては、BELPAのHP内のスタッフブログにも詳細が載っています。気になる方は是非チェックしてみてください。(http://belpa.jp

美容業界をはじめ異業種からの参入により、ますます目が離せない農業!これからの業界の動向にもしっかりと目を向けていきたいですね。

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