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就農するためにまず何から手を付ければよいか

通勤ラッシュや人間関係の悩みから解放され、自然に囲まれた農家のシンプルな暮らしに憧れる方が年々増えています。しかし、本当に農業を仕事にするために最初の一歩を踏み出すのは、なかなか勇気がいるものです。
「就農したい!…けど、どうやったら農家になれるの?」
こんな疑問をお持ちの方に、農家になるための具体的なステップを約10年前に非農家から新規就農したわたし自身の経験をもとに以下の順にご紹介します。

目次

どうやったら農家になれるの?

農家になるために特別な知識や学歴は、実は必要ありません。そもそも「農家」とは何なのでしょうか。
農林水産省のホームページには、農家の定義は下記のように書かれています。

「農家」とは、経営耕地面積が10a以上又は農産物販売金額が15万円以上の世帯をいう。

農林水産省ホームページ 農家に関する統計 

10aと聞いてもピンとこないかもしれませんが、坪数にすると約300坪。テニスコート4面分です。農業未経験の方にはちょっと広すぎて腰がひけてしまう数字ですよね。でも、プロの農家からすると「10a」は「ほんのちょっと」。広々としたところで暮らしていると、だんだんと感覚がマヒしてくるようです。
2番目の定義「年間農産物販売金額15万円以上」のほうはどうでしょうか。これは直売所などで一日500円分の野菜を年間300日販売すれば達成できますから、意外と簡単にクリアできそうですね。だから、その気になれば誰でも農家になれてしまうのです。

農家になるためにはどこに相談すればいい?

それでは、実際に就農するためにはどこへ相談すればよいのでしょうか。いくつか選択肢がありますが、コネや経験のない方は就農したい地域の自治体のHPを見るのが手っ取り早いと思います。近年はほぼ全国どこの自治体でも新規就農者を募集しており、相談会などのイベントも開催されています。それだけ農家の担い手不足が深刻なのでしょうね。

わたし自身も、いちばん最初は県の農林水産事務所へ相談に行きました。研修プログラムを案内してもらったり、地元にはどんな特産品があるのかなど、地域の農業にまつわる基本的な知識を得るには、やはり自治体を活用するのがおすすめです。

就農場所はどう決める?

「就農=移住」というイメージがありますが、実は農業は全国どこでもできます。ということは、今お住まいの地域でも就農は可能なのです。東京都内でも八王子などの郊外や埼玉・千葉などまで足を延ばせば農地はいくらでもあります。なので、まずは生活スタイルを変えずに週末農業にチャレンジされることをおすすめします。その上でやっぱり地方移住してもっとどっぷり農ライフに浸かりたいということになれば、移住を検討してみるのもよいのではないでしょうか。

農地はどうやって借りる?

もし先祖代々の畑があれば、そこを使うに越したことはないのですが、新規就農者の多くは農地を所有していません。我が家にも農地がなかったので、最初は市の農林水産課に相談しました。過去1年以上作物が栽培されておらず今後も作付けの予定のない「耕作放棄地」を市が仲介してくれるという話を聞いたからです。しかし、あっさり断られました。当時のわたしたちは就農前だったので、素人に耕作放棄地は手に負えないだろう、という理由です。耕作放棄地を借りたかったら一定期間どこかで農業研修を受けてから来てください、とのことでした。研修を受けると、終了後に農地の斡旋をしてくれることが多いようです。しかし、わたしは研修プログラムには参加しなかったので、結局近所の方に相談して、その方の知り合いから初年度は5aの畑をお借りすることになりました。というわけで、農地の借り方は主に研修先か知り合いのツテで紹介してもらうという二択になります。

新規就農者は何を栽培すればよい?

どうしてもこの作物が作ってみたい!という思い入れがなければ、「就農する地域の特産品」を栽培することをおすすめします。なぜなら、特産になっているということは、その地域の気候風土にあっている作物だからです。そして、多くの人が栽培しているものは、栽培体系がすでに確立されており、研修などを受けて技術指導してもらえることが期待できます。さらに、特産品はブランド化されていて高く売れるというメリットもあります。新規就農者はときに人の作っていない珍しいものを作りたがることがありますが、それだと販路も自分で開拓しなければなりません。まずは作ることに専念するために、基幹作物は特産品を選んで、それから徐々に興味のあるものに取り組んでいくのがよいと思います。

作物の販売先は?

新規就農するにあたって、まず「販路」を決めておくことは実はとても重要です。どんな農業をしたいかによって出荷先も変わってくるからです。一般的な販売先とそれぞれの特徴は以下のようになります。

直売所

就農を考えたときに、いちばんイメージがわきやすい出荷先ではないでしょうか。少量からでも出荷できるのでチャレンジしやすく、多品目栽培をしたい方にはおすすめです。しかし、売れ残ることもあるので安定的に量をさばくのが難しく、他の出荷者さんとの競争になることもあります。

ネット直販

自分のブランドを作れるのは魅力です。ただ、小口の取引のために発送や代金回収などの細かい業務に結構時間をとられます。

JA

やや厳しい出荷規格がありますが、それさえクリアすれば好きなだけ作って出荷することができます。販売交渉や代金の回収はJAにすべてお任せできるので、生産に専念できます。また、栽培講習会や他圃場の視察会などもあり、同じ作物の生産者同士で情報交換も盛んです。

市場

近くに青果市場があれば作ったものを直接持ち込むことが可能です。出荷規格もなく、好きなときに好きな量を出荷し、全量買い取ってもらえるのが魅力ですが、値段が日によって乱高下するので販売額の予想がつきにくいのが難点です。

店舗

スーパーやレストランに自分で営業して直接取引することも可能です。高いコミュニケーション能力が必要で、注文に応じてよいものを安定的に届けなければならないので、いちばん難易度の高い販売形態といえます。

どんな道具を揃えればよい?

極端に言えば農業は鍬一本でもできるし、施設栽培などでは何千万円も投資してハウスを建てる方もいらっしゃるのが現状です。農機具には汎用性の高いものと、各作物の栽培のために特化したものがあるため、まずは何を作るかを決めてから、必要なものを揃えます。うちは白ネギが主要品目なので、初年度に購入したのは中古の小さい耕運機と軽トラ、ネギ専用の管理機、あとは鍬などの細々とした道具です。実は白ネギの栽培・出荷作業には他の機械もいろいろと必要なのですが、最初は近所の方から借りたり、使用していないものを譲り受けたりしました。そして、数年かけてひとつひとつ必要なものを買い足していきました。なので、最初からすべて新品を揃えなくてもよいと思います。

資金はどのくらい必要?

資金はあればあるだけ心強いですが、大きく投資してしまうと回収が大変なので、初期投資はなるべく抑えたいものですね。なので、「いくら必要か」というより「いくら準備できるか」を決めて、その範囲内でやりくりするのがよいと思います。また、新規就農者向けには各種給付金が手厚く用意されていることもありますので、利用できるものがないか自治体やJAで情報を集めましょう。

就農経験まとめ

ここまで、農家になるために必要なステップについてざっとご紹介しましたが、少しはイメージがわきましたでしょうか。最後にわたしの就農までの経緯を簡単にまとめると、
「地元の県・市に相談に行ったが、当時は自分にあった研修プログラムがみつからなかったため、近所の方から土地を借り、JAに技術指導を受けながら地域の特産品である白ネギで新規就農。自己資金で必要最低限の中古機械をそろえ、大型の機械やハウスなどの設備は自治体の就農給付金を活用した。」
という感じです。わたしのように、未経験でも資金の用意がさほどなくても農家になるチャンスはあります。もし少しでも農業に興味をお持ちなら、ぜひ各地で開催されている就農相談会などに参加してみてください。

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