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ジャガイモ栽培の基礎知識(後編)~美味しく食べよう!3つの用途~

新ジャガイモの美味しい季節になりました!待ちに待った食欲の秋、到来ですね。

 

「ジャガイモ栽培の基礎知識(前編)~北海道の生産地事例をご紹介!~」では、

ジャガイモの起源や特性、栽培体系についてお話をしました。

 

今回は、前回の記事でお伝えしきれなかったジャガイモの用途や特徴について解説していきます。

目次

ジャガイモ、実はこんなところにも使われていた!

さまざまな用途のお話

ジャガイモは料理のレパートリーもたくさんあって、飽きの来ない食べ物ですよね。

八百屋さんやスーパーで陳列されているジャガイモの多くは、“生食用”という分類の品種です。

 

「ジャガイモが原料になってるお菓子も知ってるよ!」と思ったそこのあなた!正解です。

ポテトチップスもジャガイモが使われています。

こちらは“加工用”の品種が使用されています。

 

これらは多くの消費者の方がご存知の内容だと思います。

でも、実際にそれぞれの品種のどんなところに違いがあるかご存知でしょうか?

 

品種をしっかりと使い分けないと、ジャガイモの美味しさを引き出すことができません。

知っていると役に立つであろう用途のお話をします。

北海道で生産されているジャガイモの3割はそのまま食べられない!?(デンプン原料用ジャガイモ)

日本国内のジャガイモ生産量1位の都道府県は…北海道です!

しかし、北海道で生産されているジャガイモの約30%は“デンプン原料”という分類で、片栗粉などにとして利用されます。

つまり、そのまま生食用として食べることは(ほとんど)ありません。

デンプン原料用のポテトハーベスタ

ちなみに、「でんぷんイモも食べたら美味しいですか?」という質問をよくいただくのですが、正直に言うとそのまま食べてもあまり美味しくなかったです(主観です)。

ただ、収穫直後のものであれば普通のジャガイモとして調理が可能です。

ホクホクとした食味はありませんが…

 

ばれいしょでん粉の特徴としては、他のでん粉に比べて「リン含量が高い」「粒子径が大きい」「粘度が高い」「糊の透明度が高い」ことなどがあげられます

【】参考:国産でん粉のあれこれ 独立行政法人 農畜産業振興機構

https://www.alic.go.jp/joho-d/joho08_000126.html

 

ばれいしょでん粉は、わたしたちが直接手にとることができる片栗粉だけでなく、かまぼこや魚肉ソーセージなどの水産系の練り物や、粘着テープの糊などにも加工されます。

 

デンプン原料用のジャガイモの品種としては、「コナフブキ」・「コナユタカ」・「コナヒメ」などがあります。

ポテトチップス危機になったことがある!?(加工用ジャガイモ)

平成28年8月に発生した台風被害、覚えている方も多いのではないでしょうか?

この月は1か月間に3つの台風が北海道に上陸しました。

北海道のジャガイモはちょうど8月下旬~9月上旬ごろが収穫のピークを迎えるため、大打撃を受けました。

この年に生産されるはずだったポテトチップスが、全国的に品薄になってしまったのです。

 

大手の菓子メーカーは、ほとんどのポテトチップスの原料を北海道で栽培しています。

とくに、“加工用”のジャガイモは契約栽培であることが多く、作付けする時点で出荷先が決まっています。

そのため、安定的に原料を調達できるよう各社取り組んでいるのですが、ほぼ北海道全域で不作だったこの年はどこに行ってもジャガイモがない…という状況でした。

 

北海道は、とくに台風被害のリスクが低いことに加えて、防風林などの強風対策、排水対策も積極的に取り組んでいます。

北海道での生産量が多いことのデメリットとして、産地が一気に災害に見舞われると食糧危機の可能性もある…ということがわかった出来事でした。

加工用のジャガイモの品種としては、「トヨシロ」・「スノーデン」・「ホッカイコガネ」などがあります。ポテトチップスだけでなく、コロッケポテトサラダに適した品種もあります。

トラックに積んで出荷する

粉質と粘り気のバランスが大事!(生食用ジャガイモ)

料理がお好きな方であれば、生食用ジャガイモの使い分けはバッチリなのではないでしょうか?

「男爵はカレーに入れちゃだめよ」と家庭科の授業で習ったことを思い出します。

 

「男爵」や「キタアカリ」などは糊化すると細胞が離れやすい性質を持っているため、煮込み料理よりも粉ふきいもなどに適しています。

一方で、「メークイン」などは粘質を持った品種のため、煮込み料理にすると食感を最大限に引き出すことができます。

圃場の脇にこのように積まれているのは(ほとんど)デンプン原料

このように、ジャガイモは用途別に①生食用ジャガイモ、②加工(食品)用ジャガイモ、③デンプン原料用ジャガイモに分かれています。

きっとこれを読んでくださったみなさんは、ジャガイモがより身近に感じられるはずです!より詳しい情報を知りたい方は、「日本いも類研究会」などのHPを参考にして見てください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

【参考】ジャガイモ事典 財団法人いも類振興協会 

    農学基礎セミナー 新版作物栽培の基礎

    ばれいしょ及びばれいしょでん粉をめぐる事情 農林水産省 令和2年2月 

    ウェザーニュース 台風直撃でポテトチップス危機 平成28年

https://weathernews.jp/s/topics/201903/140165/

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