そのまま使うと大事故に⁉ハンマーナイフモア寿命を守るメンテナンス

雨が多く雑草の成長が早いこの時期、草刈り機の中でも特に頼れる存在がハンマーナイフモアです。広範囲の草を一度に粉砕し、草を細かく砕いて堆肥化を助ける機能もあり、多くの農家や農業従事者に利用されています。
しかし、便利さに油断してメンテナンスをさぼると危険です。刃やボルトの交換を怠ると、性能が落ちるだけでなく、重大な故障や事故につながることもあります。
本記事では、ハンマーナイフモアを安心して長く使うためのまとめ記事として、交換を怠った場合に起こる弊害と、日常的なメンテナンス方法やチェックポイントを詳しく解説します。
ハンマーナイフモアとは?
ハンマーナイフモアは、回転ドラムに多数の刃を取り付けて草を粉砕する自走式草刈機です。一般的なロータリー式やフレールモアに比べて、荒地や雑草の処理能力が高いのが特徴です。 特に「草を細かく砕いて土に還す」点が評価され、畑の維持や耕作放棄地の管理にも役立ちます。ただし、その性能を発揮するためには、刃の切れ味やボルトの締め付けが適切であることが大前提となります。
メンテナンスをさぼると危険な理由
1. 刃が摩耗すると粉砕力が低下
刃は草を叩き切ることで細かく砕いています。摩耗したまま使い続けると草が細かくならず、処理効率が極端に下がります。結果として燃費が悪化し、作業時間も増えてしまいます。
2. ボルトの緩みは重大事故の原因に
刃を固定しているボルトが緩むと、走行中に刃が飛び出す危険があります。高速回転する刃が外れると、人や周囲のものに当たって大きな事故になりかねません。
3. 機械本体に過負荷がかかる
摩耗した刃で無理に作業すると、エンジンやドラムに過剰な負荷がかかります。結果としてギアやベルトが破損し、修理費用が高額になるリスクがあります。
4. サビや固着による部品交換の困難化
定期的に点検・交換をしないと、ボルトや刃が錆びついて固着します。その結果、交換作業が困難になり、整備工場に依頼する必要が出てしまいます。
日常メンテナンス
1. 使用前後のボルトチェック
作業前後にボルトの緩みを確認する習慣をつけましょう。緩みを放置すると重大事故につながります。
2. 刃の摩耗点検
刃は消耗品です。一定時間ごとに摩耗具合を確認し、必要なら早めに交換しましょう。ハンマーナイフモアの交換部品(刃やボルト)が必要となるサインは次の通りです。
- 刃の先端が丸くなっている
- 草が細かくならず塊で残る
- 異音や振動が大きくなった
- 燃費が悪化したと感じる
3. グリスアップと清掃
駆動部へのグリス補充や草の除去は必須です。草を放置するとサビや固着の原因となります。
4. 雨天後の保管
濡れたまま放置すると錆びや腐食が進みます。使用後は水分を拭き取り、屋根のある場所に保管しましょう。
メンテナンスを怠ると修理費用は高額に
刃やボルトの交換をケチった結果、エンジンやドラム全体が故障するケースもあります。修理費用は数万円から十万円を超えることもあり、定期的な消耗品交換の方が圧倒的に安上がりです。
ハンマーナイフモアの刃やボルトは自分で交換できる?
ハンマーナイフモアの刃やボルトは、基本的な工具(スパナやソケットレンチ)があればご自身で交換可能です。ただし、誤った作業は重大な事故や機械の破損につながるため、安全面に十分配慮する必要があります。
交換作業の前に必ず行う安全対策
- エンジンを完全に停止し、点火プラグを外すことで誤作動を防止
- 平坦で安定した場所で作業し、転倒や不意の動きを防ぐ
- 厚手の手袋・保護メガネを着用して、ケガから身を守る
交換時の注意点
- ナイフの交換は基本的に全数同時に実施(部分的な交換はナイフのバランスが狂い振動発生等の原因になります。)
- 締め付けトルクを守ることで、走行中の緩みや脱落を防止。可能であればトルクレンチを使用して、適正な強さで締めましょう。
- 刃とボルトはセットで交換が基本(摩耗具合に差が出て事故の原因となるため)
- 錆びつきや固着がある場合は無理に外さない(破損やケガの原因になるため、整備工場に依頼するのが安全)
交換後のチェック
交換作業が終わったら、必ずエンジンを始動する前に刃が正しく固定されているか確認しましょう。
試運転の際に異音や過度な振動がないかをチェックし、異常があればすぐに停止して再点検してください。
交換部品の入手方法
ハンマーナイフモアの交換用刃やボルトは、農機具専門店やオンラインショップで購入できます。信頼できる販売店から購入し、品質や保証を確認することをお勧めします。ノウキナビの通販サイトでも取り扱っています。
基本的な消耗品交換は自身でも対応可能ですが、無理な作業は事故や大きな故障につながる危険があります。特に「固着して外れない」「正しい締め付けトルクが分からない」といった場合は、整備工場や販売店に依頼するのが確実で安心です。安全を最優先に、作業の難易度を見極めて対応しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. ハンマーナイフモアの刃はどのくらいの頻度で交換すべきですか?
A. 使用状況によりますが、一般的には「シーズンごと」または「摩耗が目立ったタイミング」で交換が必要です。草が細かく砕けなくなったら要注意です。
Q2. メンテナンスをさぼるとどんな危険がありますか?
A. 刃の摩耗で粉砕力が落ち、エンジンやベルトに過負荷がかかります。さらにボルトが緩むと、刃が飛び出して重大事故につながる恐れもあります。
Q3. ボルトのチェックはどのタイミングで行うべきですか?
A. 作業前後の確認が基本です。
Q4. 替え刃やボルトはどこで購入できますか?
A. ハンマーナイフモアの替え刃やボルトは、農機具専門店(実店舗)や楽天市場・Amazonなどのオンラインショップで購入できます。ノウキナビの通販サイトでも取り扱っています。
Q5. 雨の日や湿った草を刈っても大丈夫ですか?
A. 使用自体は可能ですが、湿った草は機体に絡まりやすく、刃やボルトに余計な負担をかけます。使用後は必ず清掃と乾燥を行いましょう。
Q6. ハンマーナイフモアの刃やボルトは自分で交換できますか?
A. 基本的な工具(スパナやソケットレンチ)があれば、ご自身で交換可能です。ただし、作業の際は必ずエンジンを停止し、点火プラグを外して安全を確保してください。錆びつきや固着がある場合は無理に外そうとせず、整備工場に依頼した方が安心です。
まとめ
ハンマーナイフモアは、広い範囲の雑草を効率的に処理できる心強い機械ですが、その性能を維持するには日常のメンテナンスが欠かせません。
刃やボルトの摩耗や緩みを放置すると、作業効率の低下や思わぬ故障につながり、結果的に大きな修理費用を招くこともあります。
特に大切なのは次の3点です。
- 刃やボルトは定期的に、必ず全数・セットで交換する
- 作業前後には緩みや摩耗を確認する
- 使用後は清掃と正しい保管を徹底する
これらを心がけることで、故障やトラブルを未然に防ぎ、作業効率を落とさず安心して使い続けられます。
「まだ大丈夫」と思って先延ばしにするより、早めに点検・交換することが結果的にコストを抑え、機械を長持ちさせる近道です。








