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米不足の今だからこそ改めて学びたい「米作り」と農機具の関係

最近、「スーパーでお米が品薄だった」「去年より高くなっている」と感じた方も多いのではないでしょうか。実際に、2024年以降、深刻な“米不足”が日本各地で発生しています。その背景には、気候変動や農業従事者の高齢化、資材費の高騰といった複数の要因が複雑に絡み合っています。

一方で、こうした状況をきっかけに「お米がどうやって作られているのか」「どんな機械が使われているのか」に関心を持つ人も増えてきました。本記事では、米不足の背景から、米作りの流れ、各工程で活躍する農機具の仕組みまでをご紹介します。


目次

米不足の背景とは? 農家にのしかかる重い負担

まず、なぜ今「米不足」が起きているのか、その背景を見ていきましょう。複数の要因が重なっており、一つひとつを丁寧にひもとく必要があります。

● 異常気象の影響が直撃

近年、日本各地で猛暑・豪雨・台風・干ばつといった異常気象が頻発しています。特に2023年は梅雨明けが遅れ、その後に酷暑が続いたため、稲の生育が著しく悪化しました。稲は気温や水の状態にとても敏感な作物です。気候の乱れがそのまま収穫量の減少に直結しています。

● 担い手不足と高齢化

農林水産省の統計によると、日本の農業従事者の平均年齢は67歳以上。若手の就農者はごくわずかで、後継者のいない農家では田んぼの耕作放棄が進んでいます。特に中山間地域では、地形の条件も厳しく、機械化が難しいことから作付けを断念するケースも多く見られます。

● 肥料・資材・燃料の価格上昇

さらに、近年では肥料・農薬・機械燃料などのコストが急上昇しています。海外からの輸入に依存している資材も多く、世界情勢の影響を受けやすいのです。この結果、かつては成り立っていた農業経営が赤字に転落し、米作り自体を諦める農家も少なくありません。

このように、米不足の背景には「作りたくても作れない」現場の事情があることを、私たち消費者も知っておく必要があるのです。


米作りの流れを知ることで、農業がもっと身近に

では、そもそも「お米」はどのように作られているのでしょうか。ここでは、田植えから収穫・乾燥までの一連の流れを紹介しながら、それぞれの工程での工夫や大変さにも触れていきます。

● 1. 土づくり(耕うん・代かき)

春になると、まずは前年に硬くなった田んぼの土を耕す作業から始まります。トラクターにロータリーなどの作業機を装着して地面をほぐし、水はけや根の張りやすさを整えるのが目的です。さらに「代かき」という作業で、田んぼに水を張りながら泥を細かくかき混ぜて表面を平らに仕上げます。水漏れを防ぎ、苗が安定して根付くために重要な作業です。

● 2. 育苗・播種

田植えを行う前に、苗を育てる準備をします。種もみを水に浸し、発芽させた後、専用の播種機で育苗箱にまきます。その後、育苗器やビニールハウスで温度と湿度を管理しながら約20〜30日間育てます。苗の出来が稲作の成否を大きく左右するため、農家にとっては最も神経を使う工程のひとつです。

● 3. 田植え

育った苗を田んぼに植える作業です。現在ではほとんどの農家が田植機を使用しており、機械によって一定の間隔で苗を植え付けていきます。田植えはタイミングが非常に重要で、梅雨入り前の晴れ間を見計らって、一気に作業が進められます。

● 4. 水管理と中干し

田植え後は、田んぼに適切な水位を保つことで、苗の根の成長や病害虫の予防を行います。途中で一度水を抜き、「中干し」と呼ばれる工程を挟むことで、根に酸素を供給し、稲がたくましく育つようにします。この作業は地味に見えて非常に重要で、水管理の巧拙が収量に直結します。

● 5. 除草・防除

生育期間中には、雑草や害虫との戦いも避けて通れません。必要に応じて除草剤や農薬を使用したり、草刈機で畔の草を刈ったりすることで、稲へのダメージを抑えます。害虫の発生は地域によって異なるため、地元の農協などと連携しながら対処することも多いです。

● 6. 収穫(稲刈り)

いよいよ収穫の時期。稲穂が黄金色に色づき、乾燥してきたら、コンバインで一気に刈り取ります。近年のコンバインは、刈り取りと同時に脱穀・籾の分離まで行う高性能モデルが主流です。

● 7. 乾燥・籾摺り

刈り取った籾はそのままでは保存できないため、乾燥機で水分量を15%以下に調整します。その後、籾摺り機で外皮を剥き、玄米の状態に仕上げます。ここまでくるとようやく出荷や自家消費ができるようになります。

こうした工程を経て、ようやく私たちが食べている「お米」になります。普段はあまり意識しないかもしれませんが、一粒一粒のお米には、膨大な手間と技術が詰まっていることを実感します。


主力農機具の仕組みを簡単に学ぼう

米作りには、いくつもの農機具が関わっています。ここでは、特に中心的な役割を果たすトラクター・田植機・コンバインの仕組みを見ていきましょう。

● トラクター

トラクターは、耕うんや代かきなどの土づくり作業に不可欠です。エンジンで後部の作業機を駆動し、深さや回転数を油圧やギアで調整できます。小型の家庭用から、大型でGPS搭載の高機能モデルまで様々なタイプがあり、作業の規模や土地条件に応じて使い分けられています。

● 田植機

田植機は、手植えの手間を大幅に削減した画期的な機械です。車体前方にセットされた苗箱から、アームとスライダー機構で苗を1本ずつ引き出し、正確な間隔で田んぼに挿していく仕組みになっています。高性能なモデルでは直進アシストや自動植え付け深さ調整などの機能もあります。

● コンバイン

収穫時に活躍するコンバインは、稲刈り・脱穀・籾の選別・排わら処理を1台でこなします。刃部で稲を切り取り、スクリュー式の機構で稲を運びながら、遠心力や振動によって籾と藁を分離。籾だけを専用タンクに回収する一方で、藁は田んぼに細かく撒かれます。これにより、作業効率が大幅に向上し、短期間での収穫が可能になります。


まとめ:今こそ、米作りと農機具への関心が未来をつくる

日本の農業は今、大きな転換点を迎えています。農家の高齢化や気候変動により、お米づくりを取り巻く環境は年々厳しさを増しています。しかし、そうした中でも、日本の食を支えるために地道な努力を続けている農家の方々がいます。

私たち消費者がまずできることは、農業に関心を持ち、米作りの現場を理解することではないでしょうか。お米がどのように作られ、どんな機械で支えられているのかを知ることで、私たちの食卓がより尊く感じられるはずです。

本記事を通じて、「米作りってこうなってるんだ」「農機具の仕組み、ちょっと面白いかも」と思っていただけたなら、それだけで嬉しいことです。

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