【意外と知らない】ナイロンコードは草刈機に負担をかける?|使いこなすための完全ガイド

草刈機の調子が悪い…その原因は、もしかすると使っているナイロンコードかもしれません。
手軽で安全なナイロンコードですが、使い方や選び方を間違えると、知らず知らずのうちに草刈機本体に大きな負担をかけてしまいます。
この記事では、ナイロンコードが草刈機に負荷をかけるメカニズムから、負荷を最小限に抑えるための選び方と使い方を、詳しく解説します。
ナイロンコードが草刈機に負担をかける理由とは?
「ナイロンコードを使うと草刈機に負担がかかる」と聞いたことがある方もいるかもしれませんが、それは本当です。主な原因は以下の3つが挙げられます。
1. 物理的な抵抗が大きい
草を刈る際、金属刃は草を「切断」するのに対し、ナイロンコードは「叩き切る」イメージです。
太い草や硬い草を刈ろうとすると、ナイロンコードが草に絡みつき、コードの回転が急激に減速します。この減速した回転を元の速度に戻そうと、エンジンはより多くのパワーを出そうとするため、負荷がかかります。
2. コードの長さと太さが不適切
ナイロンコードは、草刈機のエンジン出力に合わせて最適な太さと長さが設定されています。
エンジン出力に対して太すぎるコードや長すぎるコードを使用すると、空気抵抗が増加し、常にエンジンに負担がかかります。また、コードが長すぎると、石や障害物に接触した際に大きな衝撃が加わり、これもまたエンジンへの負担となります。
3. 高速回転を維持する必要がある
ナイロンコードは、その名の通りナイロン製のひもです。草を刈るためには高速で回転させる必要があり、常にエンジンに高回転を要求します。
特に、こまめにスロットルを戻したり、アイドリング状態にしたりする使い方では、再度回転を上げようとするたびにエンジンに負荷がかかります。
負荷を最小限に抑える!最適なナイロンコードの選び方
草刈機に負担をかけずに作業効率を上げるためには、適切なナイロンコードを選ぶことが重要です。
草刈機の排気量に合わせた太さを選ぶ
ナイロンコードの太さは、草刈機の排気量に合わせて選びましょう。
排気量 | 推奨されるコードの太さ |
20cc未満 | 1.6mm 〜 2.0mm |
20cc 〜 25cc | 2.0mm 〜 2.4mm |
25cc以上 | 2.4mm 〜 3.0mm |
上記はあくまで目安です。迷った場合は、取扱説明書を確認するか、少し細めのものから試してみるのがおすすめです。
コードの形状で選ぶ
ナイロンコードには様々な形状があり、それぞれに特性があります。
- 丸型: 最も一般的な形状で、耐久性が高いのが特徴です。石や障害物が多い場所でも安心して使えます。
- 星型・四角型: 断面に角があり、切れ味が鋭いのが特徴です。柔らかい草や細い草を効率的に刈るのに向いています。
- スパイラル型: らせん状の形状で、回転時の風切り音が少ないのが特徴です。住宅地など、騒音が気になる場所での作業に適しています。
ナイロンコードの種類で選ぶ
ナイロンコードの素材は主に3種類に分けられます。
- ナイロンコード: もっともポピュラーなタイプ。価格が安く、手に入りやすいのが特徴です。
- プラスチックコード: ナイロンコードより耐久性が高く、切れ味が持続します。
- カーボンコード: 最も硬く、耐久性が高いタイプ。太い雑草や硬い雑草を刈るのに向いています。
ナイロンコード使用に向いている草刈機は?
ナイロンコードの使用を考えているなら、草刈機本体の種類も重要な選択肢です。主に使われる「刈払い機」と「手押し式草刈機」のどちらがナイロンコードの使用に向いているか、その特性を比較してみましょう。
刈払い機(肩掛け式)
- 汎用性: 斜面や狭い場所でも作業しやすい。
- 小回り: 障害物を避けながら細かく刈れる。
- 機種の豊富さ: 用途に合ったモデルを選びやすい。
- 体への負担: 長時間作業すると疲れやすい。
- パワー: 小排気量モデルではナイロンコードの負荷に耐えきれない場合がある。
手押し式草刈機
- 体への負担が少ない: 車輪で押すため、腰や肩への負担が少ない。
- 高出力: 排気量が大きいモデルが多く、ナイロンコードの負荷に負けない。
- 効率: 広範囲の草刈りをスピーディーにこなせる。
- 場所を選ぶ: 斜面や狭い場所での使用は不向き。
- 小回りが利かない: 細かい場所の作業には適していない。
結論:どちらがナイロンコードに向いているか?
ナイロンコードは草刈機に高出力を要求するため、広範囲を効率的に、そして安定して草刈りしたい場合は、高出力なモデルが多い手押し式草刈機が非常に向いています。
刈払い機は、斜面や狭い場所など、手押し式が入れない場所での使用に特化しています。使用する場所や目的に合わせて選ぶことが大切です。

ナイロンコードで負荷をかけない使い方とコツ
適切なナイロンコードを選んだとしても、使い方が間違っていると草刈機に負担をかけてしまいます。ここでは、負荷をかけないための使い方とコツを紹介します。
1. コードの出しすぎに注意する
ナイロンコードの最適な長さは、草刈機の排気量や刈り幅によって異なります。一般的には、ナイロンコードのヘッドから先端までが10〜15cm程度になるように調整するのが目安です。
コードを出しすぎると、草刈機に負担がかかるだけでなく、コードの消耗も早くなります。
2. スロットルを全開にしない
ナイロンコードは高速回転させる必要がありますが、常にスロットルを全開にする必要はありません。
刈る草の種類や量に応じて、エンジンの回転数を調整しましょう。柔らかい草を刈る場合は、スロットルを半分程度にして作業すると、燃料消費を抑えながら草刈機への負担も軽減できます。
3. 刈る高さを調節する
草を地面すれすれに刈ろうとすると、ナイロンコードが地面に接触しやすくなります。
地面に接触すると、石や土を巻き上げ、草刈機に大きな負荷がかかります。少し高めに刈るように意識すると、草刈機への負担を軽減できます。
4. 適切な草刈機を使用する
ナイロンコードは金属刃に比べて草刈機に負担がかかる傾向にあります。
頻繁にナイロンコードを使用するなら、排気量の大きい草刈機を選ぶのがおすすめです。
ノウキナビでは、初心者でも扱いやすい軽量なものから、パワフルなプロ仕様のものまで、様々な草刈機を豊富に取り扱っています。
ナイロンコードに関するQ&A
Q1. ナイロンコードがすぐに切れてしまいます。どうすればいいですか?
A. 主な原因として、以下のことが考えられます。
- 草刈機の回転数が高すぎる: 高速回転させすぎると、コードが劣化しやすくなります。
- 地面や障害物に接触している: 地面や石にコードがぶつかると、摩擦でコードが切れてしまいます。
- 適切な太さのコードを使っていない: 刈る草に対して細すぎるコードを使用していると、切れやすくなります。
Q2. ナイロンコードと金属刃はどちらが安全ですか?
A. 一般的には、ナイロンコードの方が安全性が高いとされています。
金属刃は、硬い草や木の枝などを刈る際に、跳ね返り(キックバック)が起こる危険性があります。また、石などを飛ばす力も強いため、周囲に人がいないか十分に注意する必要があります。
ナイロンコードは、金属刃に比べてキックバックが起こりにくく、石などを飛ばす力も弱いため、安心して作業できます。
Q3. エンジン式草刈機と充電式草刈機、ナイロンコードを使うならどちらがおすすめですか?
A. ナイロンコードは、高速回転させる必要があるため、パワーのあるエンジン式草刈機との相性が良いとされています。
最後に:正しい知識で安全かつ快適な草刈りへ
ナイロンコードは、使い方次第で草刈り機に大きな負担をかける反面、金属刃にはない安全性と手軽さも持ち合わせています。大切なのは、それぞれの特性を理解し、自分の作業環境や草刈り機に合った道具を選ぶことです。
この記事で解説した、コードの選び方、正しい使い方、そして草刈り機ごとの特性を参考に、燃料の無駄遣いを防ぎ、機械への負担を減らしながら、安全で快適な草刈りを目指してください。