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新規就農のためのいろは

働き方、人との付き合い方、生活様式。様々なことが激変している昨今、人混みとは無縁でかつ自由に働くことができる可能性もある農業に興味を持ち始めた方もいらっしゃるかと思います。

今回は、2019年に農林水産省が公表した「新・農業人ハンドブック2019」を要約しました。農業を始める前の情報収集の仕方から、就農前後の融資、農業経営の学びの場の情報まで就農に関わる一連の流れが大まかにつかめるかと思います。新規就農を考えている方に少しでも有用な情報になればと思います。

目次

情報収集

まずは就農するための情報収集として4つが記載されています。

1.就農相談をしたり、自治体の支援制度や農地・家屋等に関する情報を収集したい

全国新規就農相談センター

各都道府県に相談窓口が設置されており、以下のような情報を幅広く得ることができます。

  • 農業を始めるまでのステップ
  • 農業の就業体験、農地や住宅の確保
  • 都道府県・市町村の就農支援情報

【お問合せ先】
全国新規就農相談センター
TEL:03-6910-1133

2.農業法人等に就職するための情報を収集したい

前述した全国新規就農相談センターハローワーク等で求人情報が紹介されています。また全国の農業法人等の話を聞ける新・農業人フェアが開催されています。
新・農業人フェアについては以前ツチカウでご紹介した【新・農業人フェア】就農希望者と農業関係者のマッチングの場(2020年7月26日〜)もご参照ください。

3.農業を体験してみたい

インターンシップという形で農業法人等で農作業を体験できます。

【研修場所】:全国の農業法人等
【コース・内容】
①学生向けのコース
②社会人向けの短期コース
③農業法人等への採用決定後の事前コース
3つがあります。(期間は2日間から6週間のものまで)

受入れ可能な農業法人や先輩の体験談をチェックできますし、受入れ先一覧に無い法人を紹介してもらえることもありますので相談してみてください。

【お問合せ先】
公益社団法人日本農業法人協会
TEL:03-6268-9500
インターンシップの概要

4.後継者がいない農業者の農業経営を引き継ぎたい

新規就農相談センターでは、後継者がいない農業者に就農希望者の紹介を行うのと同時に、経営の引き継ぎに向けた就農希望者への短期間の農業就業体験の実施支援を行い、後継者がいない農業経営体と、就農希望者のマッチングが行われています。

【お問合せ先】
全国新規就農相談センター
TEL:03-6910-1133

就農準備

就農前の準備として、農業の学びの場、農地・住宅の確保、資金のことなどが紹介されています。

1.農業の学校等で実践的に学びたい

道府県立農業大学校

農業を実践的に学ぶことができる学校で、全国42都道府県に設置され、以下の3つの過程があります。

その他の研修教育機関

上記の他にも、農業にかんせ売る研修・教育等を行っている機関があり、それぞれの地域の特色を生かした実践的な教育が行われています。

【お問合せ先】
農林水産省経営局就農・女性課農業教育グループ
TEL:03-6744-2160

2.農業法人等で研修を受けたい

研修先としては
①農家・農業法人等
②自治体の農業公社等やJA・JA法人出資等
があります。

農業法人等で働きながら学ぶ

自営就農の前に、農業生産法人で従業員として働きながら生産技術、加工販売、経営管理などのノウハウを学ぶことは有効です。
また、就農希望地の農業法人で働き、積極的に地域の人間関係を築くことにより、独立・自営就農に役立つ情報が手に入る場合もあります。
農業法人によっては、独立就農を支援しているところもあり、こちらから調べることができます。

自治体の農業公社やJA等で研修

全国各地の都道府県・市町村・農業公社・JAなどでは、新規就農希望者に対して独立就農するための研修を行い、地域農業の新たな担い手を育成しているところがあります。
研修地域での就農が前提となることが多いため、作目などが限られていますが、研修を受けた人が実際に就農できる可能性は高いため、自分の希望する就農スタイルと合致した場合は非常に魅力的な制度です。

・研修を行っている都道府県、市町村については就農支援情報で調べることができます。
・研修を行っているJAについてはJAの新規就農支援で調べることができます。

3.農地を確保したい

農業経営を始めるためには、農地を借りるor買う必要があります。そのための情報収集ツールをご紹介します。

全国新規就農相談センター

全国新規就農相談センターでは、就農希望者の農地の確保を支援するために
農地の借り方や確保に向けた取組の紹介・相談を行っています。

【お問合せ先】
全国新規就農相談センター
TEL:03-6910-1133

全国農地ナビ

全国農業会議所が運営する「全国農地ナビ」では、インターネットを利用して、新規就農希望者が全国から借りたり、買ったりできる農地情報を得られます。

農地中間管理機構

農地中間管理機構とは、農地を貸したい人から農地を機構が借り受け、新しく農業を始めたい方や規模拡大を進める農家へ農地を機構が貸し付ける「農地の中間的受け皿」組織です。
農地の出し手と受け手の間に公的機関が仲介するので、安心して農地を借りることが出来ます。
各都道府県の農地中間管理機構

4.住宅を確保したい

都道府県や市町村が行っている住宅の情報提供、家賃補助等の支援があります。また、全国の空き家情報を検索できる「全国版空き家・空き地バンク」も活用できます。

地方自治体による就農&住宅取得支援策

農地・住宅情報の提供、家賃補助など、自治体ごとの支援があります。
全国新規就農相談センター
この他にも独自の支援策を行う自治体がありますので移住先候補の自治体に、相談してみてください。

全国版空き家・空き地バンク

全国の空き家・空き地情報が検索可能で、「農地付き空き家」についても、掲載されています。
LIFULL HOME’S空き家バンク
アットホーム空き家・空き地バンク

5.認定新規就農者制度について知りたい

認定新規就農者になると、独立して農業を始める際に必要な機械・設備への投資資金や所得確保支援等の支援策が受けられるなどのメリットがあります。

認定新規就農者

新たに農業経営を営もうとする青年等であって、市町村から自らの農業経営の目標などを記した「青年等就農計画」の認定を受けた方のことです。
詳細はこちらをご参照ください。

認定新規就農者になると受けられる支援策
(1) 農業次世代人材投資資金(経営開始型)の交付
(2) 青年等就農資金(無利子融資)の貸付け
(3) 強い農業・担い手づくり総合支援交付金
(4) 農業経営基盤強化準備金制度の利用
(5) 経営所得安定対策(ゲタ対策・ナラシ対策)への加入

6.研修中の所得を確保したい

農業次世代人材投資資金(準備型)を活用できます。令和元年度から支援対象者の年齢が45歳未満から50歳未満に引き上げられました。

農業次世代人材投資資金(準備型)

次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、就農前の研修を後押しする資金を交付されます。(年間150万円、最長2年間)

農業大学校等、都道府県が指定する研修機関で研修を受ける方で、以下の条件を満たす方が対象です。
(対象となる方)
① 原則として就農予定時の年齢が50歳未満の方
② 都道府県が認める研修機関でおおむね1年以上研修する方
③ 研修終了後1年以内に就農する以下のいずれかの方
・ 独立・自営就農し、就農後5年以内に認定農業者又は認定新規就農者になる方
・ 農業法人に雇用されて就農する方
・ 親元就農し、就農後5年以内に経営を継承するか農業法人の共同経営者になる方

※ 常勤の雇用契約を締結している場合は対象になりません。
※ 以下の場合は返還となります
① 適切な研修を行っていない場合
② 研修終了後、1年以内に就農しなかった場合
③ 交付期間の1.5倍(最低2年間)の期間、就農を継続しない場合

7.移住して就業・起業する際に受けられる支援策が知りたい

東京から地方に移住して就業等する方向けの「移住支援金」や、地方で起業する方向けの「起業支援金」があります。

地方創生移住支援事業

東京23 区に在住又は通勤していた方が東京圏外へ移住し、地方創生移住支援事業を実施する都道府県が選定した中小企業等に就業する場合に都道府県・市町村が共同で移住支援金を支給する事業です。
(最大100 万円 ※単身の場合は最大60 万円)

地方創生起業支援事業

都道府県が、地域の課題解決に資する社会的事業を新たに起業する方を対象に、起業のための伴走支援と事業費への助成(最大200万円)を通して、効果的な起業を促進し、地域課題の解決を通して地方創生を実現することを目的とした事業です。

詳細はこちらをご参照ください。

就農開始

就農してからの資金支援や災害への備え、規模を拡大したいと思った際の税制面での支援策などが紹介されています。

1.経営を始めて間もない時期の所得を確保したい

農業次世代人材投資資金(経営開始型)を活用できます。令和元年度から支援対象者の年齢を45歳未満から50歳未満に引き上げられました。

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、就農直後の経営確立を支援する資金を交付されます。
(年間最大150万円、最長5年間)
詳細はこちらをご参照ください。

2.新規就農時に機械・施設の導入等に資金を借りたい

「青年等就農資金」により、青年等就農計画に即して農業経営を開始するために行う機械・施設の購入等に必要な資金を無利子で貸りることができます。

青年等就農資金(無利子融資)

1.対象者
  認定新規就農者
2.借入条件等
  (1) 資金使途:施設、機械の取得等(農地等の取得は除く)
 (2) 貸付利率:無利子
 (3) 借入限度額:3,700万円(特認限度額1億円)
 (4) 償還期限:17年以内
  (5) 据置期間:5年以内
 (6) 担保等:実質無担保・無保証人
3.取扱金融機関
   株式会社日本政策金融公庫

詳細はこちらをご参照ください。

3.万一の収入減少や自然災害による被害等に備えたい

自然災害や価格低下など農業経営に伴うリスクに対し、「備えあれば憂いなし」となるよう、「収入保険」又は「農業共済」に加入できます。

収入保険

自然災害による収量減少や価格低下をはじめ、農業者の経営努力では避けられない収入減少を広く補償されます。

詳細はこちらをご参照ください。

農業共済

自然災害で作物の収穫量が減少したり、園芸施設に損害が出た場合や家畜が死亡したり、診療を受けた場合に補償されます。

詳細はこちらをご参照ください。

4.農業経営基盤強化準備金制度について知りたい

計画的に規模の拡大や機械整備の高度化を図る取組みを税制面から支援される、「農業経営基盤強化準備金制度」を活用できます。

農業経営基盤強化準備金制度

認定新規就農者である個人が、青年等就農計画に従って、経営所得安定対策等の交付金を農業経営基盤強化準備金として積み立てた場合、所得の計算上、この積立額を必要経費に算入できます。
積み立てた準備金を5年以内に取り崩して、農用地や農業用の建物・機械等の固定資産を取得した場合には、圧縮記帳ができます。

詳細はこちらをご参照ください。

経営確立

最後に就農後の規模を拡大しようとする際の融資や、経営ノウハウを学ぶ場の情報が記載されています。

1.経営発展のために、機械・施設の導入等の資金を借りたい

スーパーL資金(長期低利融資)

認定農業者が、規模拡大など経営改善のために農地・機械・施設を購入する場合などに必要な資金を長期低利で借りることができます。

1.対象者
  認定農業者
2.借入条件等
 (1) 資金使途:農地、施設、機械の取得等
 (2) 貸付利率:0.16~0.20%(令和元年5月20日現在)
 (3) 借入限度額:
    ・個人 3億円(複数部門経営等は6億円)
    ・法人10億円(民間金融機関との協調融資の状況に応じ30億円)
 (4) 償還期限:25年以内
 (5) 据置期間:10年以内
3.取扱金融機関
  株式会社日本政策金融公庫

詳細はこちらをご参照ください。

2.経営開始後に機械・施設等を導入したい

農業用機械・施設の導入等を行う際、融資残について補助金を交付する「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」を活用できます。

強い農業・担い手づくり総合支援交付金

人・農地プランに位置付けられた中心経営体や農地中間管理機構から貸借権の設定を受けた者が融資を受け、農業用機械・施設の導入等を行う際、融資残について補助金を交付(補助率は事業費の3/10以内)されます。
なお、認定新規就農者には、予算配分の決定の際に用いる配分基準ポイントが加点されます。

詳細はこちらをご参照ください。

3.就農後も経営力や国際感覚を磨きたい

農業経営塾

都道府県において、営農しながら経営管理、マーケティング、労務・財務管理など農業経営のノウハウを体系的に学ぶことができる農業経営塾を開講しているところがあります。

詳細はこちらをご参照ください。

4.農業者年金について知りたい

農業者年金は、少子高齢時代に強い積立方式・確定拠出型でメリットいっぱいの終身年金です。

  1. 農業者なら広く加入できる
  2. 少子高齢時代に強い積立方式・確定拠出型の年金
  3. 保険料は自由に決められる
  4. 終身年金。80歳前になくなった場合には死亡一時金あり
  5. 税制面で大きな優遇
  6. 保険料の国庫補助

詳細はこちらをご参照ください。

まとめ

今回、新規就農者に向けてのガイドブックを読んで、多くの支援策があることを再認識しました。食料自給率が依然として低水準だというニュースも最近ありましたが、働き方について見直す大きなきっかけになっている今こそ、こうした支援策とあわせて「就農」というキーワードがもう少し世の中に広がれば、日本の農業も変化することができる一つのきっかけになるのではと思いました。

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