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『米不足原因』2026年米不足と米価格高騰見通しの対策

米作りでは予期せぬ自然災害の影響も受けやすく、さまざまな要因が複雑に重なるため需要と供給のバランスをとることは簡単ではありません。現在(2025年7月)の状況として「米不足」が懸念される、あるいは進行しているとすれば、それは主に2024年に発生した問題が解決されず、影響が継続・拡大しているためと考えられます。

目次

令和7年(2025年)の米不足はなぜ起きているのか


  1. 2023年産米の供給不足の継続:
    1. 2023年産の不作と品質低下の影響は、収穫直後の2023年末から2024年を通じて続き、2025年に入ってもその在庫不足感は解消されていません。特に、業務用や加工用の米の在庫は依然として低い水準にあります。
  2. 2024年産米の作柄への懸念:
    1. 2024年産の米(主に2024年秋に収穫され、2025年に本格的に流通)についても、異常気象のリスクは依然として存在します。市場は過去の不作を経験しているため、今後の作柄や供給量に対する不安が根強く、需要が先行する動きが見られます。
    2. 精米歩留まりの改善が見られない場合、収穫量が増えても実質的な供給量は増えない可能性があります。
  3. 需要の継続的な増加:
    1. 外食産業やインバウンド需要は2024年を通じて堅調に推移しており、2025年もその勢いは続くと予測されます。
    2. 小麦価格の高止まりや、米の相対的な割安感も継続しているため、「米シフト」の流れも止まっていません。これらの需要が、引き続き供給量を上回る状況を作り出しています。
  4. 流通の混乱と買い占め・売り惜しみの継続:
    1. 2024年に経験した「米不足」の記憶から、流通業者や一部の消費者が先を見越して多めに購入する「買いだめ」や、価格高騰を期待した「売り惜しみ」の動きが依然として残っている可能性があります。これにより、市場への米の供給が円滑に行われず、品薄感を助長しています。
  5. 構造的な問題の慢性化:
    1. 農業従事者の減少や高齢化、そして生産コストの上昇は短期間で解決する問題ではありません。これらの構造的な問題が、米の安定的な供給能力を慢性的に低下させているため、一時的な対策だけでは根本的な解決には至っていません。

これらの要因により、2025年に入っても米の需給は依然として逼迫しており、価格の高止まりや、場合によっては品薄が続く状況となっています。


2026年 米不足への対策

2026年以降も米の安定供給を確保し、再び米不足に陥ることを避けるためには、短期的な対応だけでなく、長期的な視点に立った多角的な対策が必要です。

1. 生産段階での対策

  • 主食用米の作付け面積の拡大奨励:
    • 農林水産省は、現在の需要と在庫状況を鑑み、主食用米の生産目標を適切に上方修正し、農家に対して作付け面積の拡大を強力に奨励する必要があります。具体的には、転作奨励金の見直しや、主食用米への復帰を促す支援策の拡充が考えられます。
  • 気候変動に強い品種の開発と普及:
    • 猛暑や乾燥、集中豪雨といった異常気象に耐性を持つ米品種の研究開発を加速させ、その普及を強力に推進します。例えば、高温による胴割れを起こしにくい品種や、少量の水でも生育可能な品種などです。
  • 安定生産技術の確立と普及:
    • 気象変動リスクに対応できる栽培技術(水管理、施肥管理など)の研究と、その普及を徹底します。スマート農業技術(IoT、AIなどを活用した精密農業)の導入支援も有効です。
  • 新規就農者への支援強化と担い手育成:
    • 農業への新規参入を促すための資金援助、技術指導、農地斡旋などの支援策を抜本的に強化します。これにより、高齢化が進む農業の担い手を確保し、生産基盤を維持・強化します。

2. 流通・在庫管理での対策

  • 需給情報の透明化と予測精度の向上:
    • 米の生産量、在庫量、消費量、輸出入量などのデータをリアルタイムで収集・分析し、その情報を生産者、流通業者、消費者が共有できるシステムの構築が不可欠です。これにより、市場の混乱を防ぎ、合理的な需給調整を促します。
  • 政府備蓄米の適切な運用:
    • 万が一の不作や供給不足に備え、政府の備蓄米を適切な量で確保し、市場の状況に応じて柔軟かつ迅速に放出できる体制を維持・強化します。ただし、市場価格を不必要に押し下げないよう、放出のタイミングと量には細心の注意が必要です。
  • 契約取引の促進と安定化:
    • 生産者と実需者(食品メーカー、外食産業など)間の長期的な契約取引を促進し、安定的な供給ルートを確保します。これにより、価格変動リスクを低減し、双方が安心して取引できる環境を整備します。

3. 消費・フードロス削減での対策

  • 国産米の消費拡大に向けた情報発信:
    • 国民に対して、国産米の安全性、美味しさ、そして食料安全保障における重要性を積極的に発信し、国産米の消費を促します。
  • フードロス削減の推進:
    • 家庭や飲食店での食品廃棄(フードロス)を削減するための啓発活動を強化します。これは、供給量が変わらなくても実質的な供給量を増やす効果があります。

4. 構造的な農業問題への長期的な対策

  • 農業経営の安定化と魅力向上:
    • 米価の変動に左右されにくい収入安定策(収入保険制度の拡充など)を講じ、米農家が安心して生産に専念できる環境を整備します。また、兼業農家から専業農家への移行を促すインセンティブも検討します。
  • 生産コストの抑制:
    • 燃料費や肥料費などの農業資材価格が高騰している現状に対し、国による支援や、低コスト化技術の開発・普及を促進します。
  • 輸出促進による需要創出:
    • 国内需要が減少傾向にある中、高品質な国産米の海外輸出を積極的に支援し、新たな需要を創出します。これにより、生産者の経営を安定させ、国内生産基盤を維持する一助とします。

これらの対策を総合的かつ継続的に実施することで、2026年以降も米の安定供給を確保し、消費者が安心して米を食べられる環境を維持することが期待されます。

家庭での対策

2026年に予想される米価格高騰に対して、個人家庭でできる対策はいくつかあります。

1. 早期購入・備蓄を検討する(買いすぎは禁物)

  • 現在の価格での購入: もし、自宅の保管スペースに余裕があり、消費ペースが明確であれば、価格が安定している今のうちに、少し多めに米を購入しておくことを検討できます。
  • 適切な量の購入: しかし、買いすぎは市場の品薄感を助長し、さらなる価格高騰を招く可能性もあります。家族の消費量や保管場所を考慮し、数ヶ月分を目安にするのが良いでしょう。
  • 保管方法の確認: 米は適切な方法で保管しないと品質が落ちてしまいます。密閉容器に入れ、冷暗所で保管するか、冷蔵庫の野菜室で保管するのがおすすめです。虫やカビの発生を防ぐためにも、購入後は早めに密閉容器に移し替えましょう。

2. 消費量を工夫する

  • ご飯の量を調整する: 普段よりも少しだけご飯の量を減らし、その分おかずを充実させるなど、献立全体で米の消費量を調整します。
  • 米以外の主食を増やす: パン、麺類、芋類、オートミールなどを食事に取り入れ、主食のバリエーションを増やすことで、米の消費量を自然と減らすことができます。
  • リゾットや雑炊、炊き込みご飯の活用: 水分を多く含ませたり、具材を多くしたりすることで、少量の米でも満足感のある食事になります。
  • おかずを工夫する: 米を食べる量が少なくても満足できるような、味付けの濃いおかずや、ボリュームのあるおかずを増やすことも有効です。

3. 米以外の食料備蓄も検討する

  • 米だけでなく、レトルト食品、缶詰、乾麺、フリーズドライ食品など、長期保存が可能な他の食料もバランス良く備蓄しておくことで、万が一米の価格が極端に高騰しても、食費全体への影響を抑えることができます。
  • 「ローリングストック法」を取り入れ、日常的に消費しながら補充していくことで、常に新しい備蓄を保てます。

4. 賢い購入方法を検討する

  • セールの活用: スーパーやオンラインストアの特売日やセール情報をチェックし、価格が下がっているタイミングで購入します。
  • ふるさと納税の活用: ふるさと納税の返礼品として米を選べば、実質2,000円の自己負担で米を入手できます。寄付額にもよりますが、通常購入よりもお得になる場合があります。
  • アウトレット品や業務用スーパーの活用: 品質には問題ないが、外装に傷があるなどの理由で安くなっているアウトレット品や、業務用スーパーの大容量パックなどを活用するのも一つの手です。ただし、大容量の場合は保管場所と消費期限に注意が必要です。
  • ブランドにこだわらない: 普段購入しているブランド米にこだわらず、比較的安価なブレンド米や無洗米などを選択肢に入れることも検討しましょう。

5. 情報収集と冷静な判断

  • 最新の情報を得る: 政府の対策や、米の作柄に関するニュースなど、最新の情報を常にチェックし、状況の変化に対応できるように準備しておきましょう。
  • 冷静な行動: デマや根拠のない情報に惑わされず、冷静な判断を心がけましょう。パニック買いは、さらなる混乱を招く可能性があります。

これらの対策を組み合わせることで、米価格高騰による家計への影響を最小限に抑えることができるでしょう。

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